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THE比較

2024.01.31

薬局システム選定の参考に!Pharma Techをカオスマップで整理

皆さんは物を選ぶ時にサッと決められるタイプですか?優柔不断で決められないタイプですか?
私は後者です。多くの選択肢を比較して、ベストを選びたいという気持ちが強いので即決できないタイプです。
たくさんの選択肢は選ぶ喜びを与えてくれますが、同時に決めにくいというジレンマを与えます。
「選択のパラドックス」ってやつですね。
このPDX Newsで取り上げている薬局向けのシステム、デバイス、ソフトウェア、アプリケーションは日々進歩し、ここ数年でたくさんの製品やサービスが提供されるようになりました。読者の中にも「選択のパラドックス」に陥っている人がいるかもしれません。

そこで、そんな数あるPharma Techをカオスマップで整理してみましたので、パラドックスを抜け出す一助として参考にしていただければと思います。
ちなみにPharma Techとは、PharmacyとTechnologyの造語です。最近「〇〇テック」という言葉が流行っていますが、薬局のテクノロジーの総称とご理解ください。
カオスマップとは、企業や製品・サービスの特徴や関係性などを示す業界地図のことです。

調剤薬局向けシステム・ICTツール カオスマップ 2023

小さくちりばめられているのはシステムベンダーさんのロゴマークです。この記事を書いた2023年2月時点の主だった企業をプロットしています。複数のカテゴリーの製品を販売しているベンダーはあちこちに複数回登場します。会社ロゴを見つけられなかった企業については、製品・サービスのロゴとしています。

ロゴ使用等で問題がある場合やマップへの掲載を希望されるシステムベンダー様は、お問合せフォームよりご連絡ください。

引用元: マップ制作:PHARMACY DX NEWS 編集部 富澤崇

マップの上方は患者さんが、下方は薬局スタッフが使用するPharma Techを、左側は医療アウトカム増大を目的としたもの、右側は効率化を目的としたものを開発・販売している企業をプロットしました。さらに16のカテゴリーに分け、「⑥電子版お薬手帳・オンライン服薬指導など」については3つのサブカテゴリ―にわけて整理しました。
それにしてもいっぱいあるなぁという印象ですよね。だから、過去に使ったことがあるとか、社名を聞いたことがあるとか、そんな自分の限られた情報だけで選ぶのではなく、しっかり比較して「違いの分かる大人」になりましょう!
カオスマップとして扱うものを「医療アウトカムの増大、医療サービスの向上、患者の利便性の向上、業務効率化、薬局経営の改善などに寄与する新しいテクノロジーを応用したデバイス、ロボット、ハードウェア、ソフトウェア、アプリケーション」と定義しました。したがって、以下のようなシステムや機器は含めていません。
•    ドラッグストア各社で運用されているポイントアプリ
•    待合室を快適に過ごすためのアメニティや設備、デジタルサイネージなど
•    会計、給与、総務、人事など、一般企業においても使用されるシステム

カオスマップのカテゴリー詳細、メーカー比較

⑪レセコン・電子薬歴

レセコンと一体型となった電子薬歴も登場しているため、一つのカテゴリーとして扱う。音声入力、クラウド型、経営管理数値のレポーティングなど多様な機能が追加されている。

⑬調剤監査・調剤過誤防止システム

ピッキングや分包された薬剤などの監査を行うシステムのこと。監査だけでなく、調剤棚へ誘導するナビゲーション機能、調剤薬の写真撮影、発注機能、棚卸機能などを搭載したものもある。
下記のカテゴリーに関しては、カテゴリー説明のみとなります。
THE比較の記事が出来ましたら、順次更新していきます。お楽しみに!
①オンライン資格確認
オンライン資格確認に必要な顔認証付きカードリーダー。マイナンバーカードの顔写真データを IC チップから読み取り、その「顔写真データ」と窓口で撮影した「本人の顔写真」と照合して、本人確認を行うことができるカードリーダーのこと。
②オンライン診療
オンライン診療のアプリケーションではなく、かつ特定の医療機関が行うオンライン診療のことでもなく、複数の医療機関や医師がオンライン診療を提供するサービスのこと。オンラインでの医師の診察、健康相談などのサービスを提供。処方箋が発行されずに医薬品が自宅に届く仕組みと処方箋が発行される仕組みがある。
③オンライン薬局
一般用医薬品やサプリメントなどを購入できるオンラインサービスのこと。ECサイトとしての機能に加え、LINEなどで薬剤師に相談できる機能、アンケートに回答することでパーソナライズされた商品がリコメンドされる機能などがある。オンライン服薬指導に対応している場合もある。
④多職種連携システム
医療・介護関係者や患者・家族の情報共有・コミュニケーションツールのこと。閲覧・操作権限などを設定したうえで、患者の医療・介護情報を一元化するためのアプリケーション。
⑤治療用アプリ
病気を治療するためのアプリケーションソフト全般。主に認知行動療法に基づき、うつ病、認知症、ADHD、不眠症、禁煙や薬物依存などの治療に用いる保険適用の承認を得たアプリケーションであり、日本では医薬品ではなく医療機器として認可されている。
⑥電子版お薬手帳・オンライン服薬指導など
スマートフォンアプリとして患者には無料提供されており、患者がスマホで撮影した処方箋を薬局へ送信する機能、電子版お薬手帳の機能、服用期間中のフォローアップとしてメッセージのやり取りをする機能、オンライン服薬指導やキャッシュレス決済の機能などが一体型となったもの。
オンライン診療アプリから派生したもの、電子薬歴から派生したもの、独立系のものの3つにサブカテゴライズした。
⑦薬の自販機
駅構内などに設置するOTCの自動販売機のこと。購入者はディスプレイの案内に従いOTCを選択し、注意事項を閲覧する。選択した商品や注意事項の閲覧記録などの情報が離れた店舗に送信され、薬剤師や登録販売者の確認を経て購入する。
⑧順番管理
飲食店などでも使われる順番待ちシステムのこと。薬局内での音声呼び出しや番号のディスプレイ表示による順番管理に加えて、患者のスマートフォンで発券用紙のQRコードを読み込むことで呼び出し状況や待ち時間を確認できるなどの機能がある。
⑨宅配ロッカー
一般的な荷物の受け取りにも使用されるロッカーのこと。主にオンライン服薬指導を受けた後の薬の受け取りに利用される。QRコードを利用した入庫・受取、 クラウドを利用したリアルタイムな管理・監視、温度制御可能な冷蔵・冷凍ユニット、顔認証などの機能がある。
⑩OTC販売支援
薬剤師向けの販売支援システムのこと。患者の症状から適したOTC医薬品候補の検索が可能。一般用医薬品のリスク区分やセルフメディケーション税制区分など、販売時に注意が必要な情報が提示されるなどの機能がある。
⑫調剤機器
調剤を行うための機器類のこと。全自動薬剤払出機、抗がん剤調製、水剤分注機、散剤分包機、錠剤包装機、軟膏調剤機など。
⑭BIツール
ビジネスインテリジェンスツールの略で、レセコンや電子薬歴などの薬局内に蓄積された様々なデータを集約し、分析・可視化を行い、事業上の意思決定に必要な知見を提供するツールのこと。
⑮不動在庫売買
医薬品の不動在庫を薬局間で売買するためのシステムのこと。在庫管理システムに搭載されているものや単独のWebサービスとして提供されているものがある。
⑯在庫管理
医薬品の発注・入庫管理などを行うシステムのこと。AIを搭載し医薬品の消費を予測して自動発注する機能や期限切迫品のアラート機能などを有するものもある。
ライター:富澤 崇 PHARMACY DX NEWS 編集部
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