韓国での規制強化
韓国関税庁は今月初め、日本の鎮痛薬「イブ」の持ち込み禁止措置を開始しました。この措置は、外国で販売されている麻薬類含有医薬品の違法な持ち込みが増加していることを受けたものです。
「イブ」に含まれる「アリルイソプロピルアセチル尿素(アプロナール)」は、韓国の「法律で定められた麻薬類成分481種」に指定されています。この成分は催眠・鎮静作用を持ち、痛みの緩和効果がある一方で、眠気や強い依存性、血小板減少などの副作用があるとされています。
最近の事例では、日本で購入した「イブ」が韓国の検疫で摘発され、「向精神性の成分が含まれている麻薬類に該当する」として返却・廃棄処分された報告があります。同様に「イブクイック」「イブA錠」なども規制対象となっています。
オーストラリアでも禁止
オーストラリアの医薬品規制当局(TGA)も、アリルイソプロピルアセチル尿素を含む「イブ」ブランド製品について重大な健康リスクがあるとして、同国内での販売、供給、使用を禁止しています。
アプロナールは副作用の危険性から豪州での臨床使用が中止され、世界の多くの国で禁止されている成分です。オーストラリアでは「有毒物質基準」のスケジュール10に分類され、健康への危険性から販売、供給、使用が禁止されています。
ゴールデンウィークや夏休みシーズンを前に、韓国やオーストラリアへの旅行を計画している方は、「イブ」をはじめとするアリルイソプロピルアセチル尿素含有医薬品の持ち込みを避けるようにしましょう。
海外渡航の際は、常用薬の成分や現地での規制状況を事前に確認することが重要です。渡航先で使用可能な代替薬についても、出発前に医師や薬剤師に相談することをお勧めします。
現地で体調不良となった場合の対応策として、渡航先で購入可能な鎮痛薬の情報も事前に確認しておくと安心です。
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