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薬局DXニュース解説

2025.04.04

医療DXを活用しオンラインで複数病院の宿直兼務を可能に—規制改革推進会議に前向き提案

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医師の働き方改革と地域医療の維持という二つの課題を両立させるため、慢性期病院などでのオンライン宿直体制の導入に向けた議論が進んでいます。規制改革推進会議の健康・医療・介護ワーキング・グループに提出された意見書では、ICT技術を活用した新たな宿直体制のあり方が提案され、厚生労働省も前向きな反応を示しています。

深刻化する医師不足と地域医療の現状
日本全国で生産年齢人口が減少する中、医療従事者の確保は年々難しくなっています。特に地方では医師の偏在や不足が深刻化し、宿直医が確保できずに診療体制の縮小を余儀なくされる医療機関も増えています。
2024年から適用された医師の時間外労働上限規制は、医療の質と安全性を確保しながら医師の働き方改革を推進する重要な施策ですが、一方で地域医療提供体制への影響も懸念されています。

オンライン宿直導入の可能性
規制改革推進会議のワーキング・グループに提出された意見書では、ICT技術の進展を活かした医師宿直体制の柔軟化を提案しています。具体的には、医療提供体制の維持が困難な地域を前提に、「オンライン診療による宿直対応」や「複数医療機関の宿直兼務」の可能性について検討を進めるよう求めています。
現行の医療法第16条では原則として宿直医の院内常駐が義務付けられており、その例外は通知により規定されていますが、「速やかに診療を行う体制」の具体的な基準が明確でないため、都道府県での運用が進みにくい状況にあります。

地域の実情に合わせた柔軟な体制づくり
意見書を提出した専門委員は「地域単位で限られた医療資源の最適配置を検討する選択肢」としてこの提案を位置づけており、都道府県知事の認可など一定の条件設定を前提としています。
「病院には医師が常時いた方がいい」という意見は理解できるものの、すべての医療・介護施設に医師を配置することは現実的ではありません。人的資源が減少する中で、新しい技術をいかに活用して医療提供体制を維持するかが重要な課題となっています。

慢性期病院の多様な実態
地域によって、また同じ地域内でも慢性期病院の役割は多様です。夜間の救急搬送を受け入れる病院がある一方で、人生の最終段階を穏やかに過ごすことに力を入れている病院もあります。DNARを前提とした医療を提供する慢性期病院では、特別養護老人ホームよりも搬送件数が少ないケースもあります。
医療機関の特性に応じて適切な宿直体制を選択できるようにすることが望ましく、オンラインや兼務を認めたとしても、それを選択するのは全体の約1割程度と予測されています。

地域医療における慢性期病院の重要性
超高齢社会において、慢性期病院は地域医療の重要な一角を担っています。介護施設では対応が難しい患者でも慢性期病院なら療養可能なケースは少なくなく、頻繁な救急搬送や緊急往診を減らし、安定した療養環境を提供しています。

地域における慢性期病院の安定的な存続は、今後の地域医療体制にとって不可欠な要素です。宿直体制の柔軟化は、その存続を支える一つの方策として期待されています。
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