icon-sns-youtube icon-sns-facebook icon-sns-twitter icon-sns-instagram icon-sns-line icon-sns-tiktok icon-sns-etc

薬局DXニュース解説

2025.03.13

「はいよろこんで」の歌詞に隠された「3から6マス」の秘密 - 患者さんに教えてあげると、ちょっと自慢できる話

  • facebook
  • twitter
  • LINE

「こっちのけんと」さんが歌う「はいよろこんで」という曲をご存知でしょうか?この曲の中に「鳴らせ君の3から6マス」という不思議なフレーズがあります。一見すると謎めいたこの言葉、実は医療の世界、特に心電図に関する素敵な知識が隠されているのです。

実は心電図検査の記録紙のことだった

心電図検査をすると連続紙に波形が描かれます。実はこの紙、単なる紙ではなく、精密に設計された「方眼紙」になっています。1mmごとに細かい線が引かれ、5mmごとに太い線が入っています。
臨床では、この1mmを「1コマ」と呼び、25mmが時間にして1秒に相当します。つまり、細かいマス目1つは0.04秒、太い線で囲まれた大きいマス目(5mm四方)は0.2秒を表しているのです。

はいよろこんで / こっちのけんと MV

「3から6マス」の意味するもの
さて、歌詞に出てくる「3から6マス」とは何を意味しているのでしょうか?
実は、心電図では心拍のリズムを「R波」と呼ばれる波形の間隔で測定します。この間隔が「3から6マス」というのは、実に深い意味があるのです。

3マス間隔:300÷3=100回/分
4マス間隔:300÷4=75回/分
5マス間隔:300÷5=60回/分
6マス間隔:300÷6=50回/分

そして、医学的に正常とされる心拍数は50~100回/分。これを心電図のマス目に変換すると、まさに「3から6マス」になるのです!

医学的メタファーが語る人間らしさ
患者さんとお話しする際、「心拍数が正常範囲内ですよ」と伝えるだけでなく、「こっちのけんと」さんの歌詞を引用してみてはいかがでしょうか。
「あなたの心拍は『3から6マス』の範囲内で、とても健康ですよ。これは『はいよろこんで』という曲にも出てくるフレーズなんです。この曲は、完璧でなくても大丈夫、自分の弱さも受け入れていいんだよ、というメッセージが込められているんですよ」
このように医学と音楽、そして人生哲学を結びつけることで、患者さんの心に響く対話ができるかもしれません。

SOSを出すタイミングの教訓
この曲「鳴らせ君の3から6マス」というフレーズに続き「・・・ーーー・・・(トントントン ツーツーツー トントントン)」というフレーズが続きます、これはモールス信号の「SOS」を表します。
なのでもしかしたら「自分の心拍が正常なうちにSOSを出していこう」というメッセージも含まれているのかもしれません。薬剤師として、患者さんに早期受診の大切さを伝える際にも使えるかもしれません。心拍が「3から6マス」の範囲内、つまり体がまだ正常に機能しているうちに、違和感や不安を相談することの重要性を、この楽曲を通じて伝えることができるでしょう。
筆者がこの楽曲を聞いた時に感じたのは「はいよろこんで」というタイトルには、「人の役に立ちたい」という前向きな意味とともに、「自分の気持ちを無視しないでほしい」という思いも込められていると感じたからです。医療従事者として、患者さんのためを思う気持ちと、自分自身のケアのバランスを取ることの大切さを思い出させてくれます。
次に心電図を見るとき、あるいはこの曲を聴くとき、「3から6マス」の医学的意味と人間的意味の両方を思い出してみてください。きっと、医学の世界と人間の心の世界がより身近に、そして豊かに繋がって感じられることでしょう。
  • facebook
  • twitter
  • LINE

RELATED