【日本調剤】車両を活用したオンライン服薬指導などMaaS事業に参画/三重県大台町で
https://www.dgs-on-line.com/articles/2347
ドラビズ on-line さんの記事からです。
中山間部での医療提供にオンライン診療や、オンライン服薬指導を実施すべく、乗用車を用いてサービスを提供するというMaaS事業の実証実験。
うまくいけば、それらの集落で永く生活をしてきた高齢者の方々を支えられるだけではなく、誰も日本国民が住み付かないような、空白地帯の発生というリスクを予防できるかも知れません。
我が国が豊かな自然とそこで得られる第一次産業の恵みを、すべての国民の生命の支えになっていると考えれば、こうした試みは「医療」の枠組みを超えた、「国の在り方」全体をもカタチ作ることに良い影響を与える可能性があります。
「集落の高齢者は早晩その人生を閉じるから無駄ではないのか?」
そうした声もあるだろうことは容易に想像できますが、この実証実験のようなスキームがうまく回れば、いま住んでらっしゃる高齢者だけではなく、都会の生活があわないと感じた生産年齢人口の人たちだって、移住をしてくるかもしれないではないですか。
現にこうした移住者をテレビで見ることがありますよね。「機能」や「便利」といった都会脳だけで考えていては、決して気が付かないことがあるはずです。
そういう意味でもこうした実証実験がもつ意味は大きいと思うのですが、成功させるピースを増やすとしたら、「オンラインだけで完結させずに、どのようにリアルを織り込んでいくのか?」という視点にあると思います。
特に薬なんて「モノ」そのものだから、誰かが運ばなければいけない。いや、スキームにあるように宅配業者さんが運んでも良いのだけれども、せっかく全国各地にモバイルファーマシーが準備されているのならば、「使わない手はない」。
1週間に1回か、2週間に1回かはわかりませんが、巡回する地区を曜日で決めて毎日回っていけば、リアルで薬を渡せる。この医療者とのリアルな接触が効いてくるはずです。画面越しではわからないことが、必ずある。
もちろん毎回リアルじゃなくても良いのです。時々リアル。これが中山間部の医療提供を維持していくための視点じゃないかと思うのです。
そういう意味でも岐阜薬科大学・林秀樹教授の研究*報告が待ち遠しいです。
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https://www.gifu-pu.ac.jp/news/2022/09/post-96.html
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