軽トラックを改良した「診察カー」でオンライン診療を行う実証実験
https://medit.tech/sendai-telemedicine-demonstration-dtopwithn-2023/
Med IT Tech さんの記事からです。
D to P with N が「診療カー」のコンセプト。
仙台市医師会さんを中心とした過疎地医療のオンライン診療の実証実験は、対面診療との質の差を埋めるべく考えられた素晴らしい取り組みだと思います。
「医療DX」を成功させるためには、どこかで「リアル」をどのように担保するのか?を上手くデザインしておくことが肝要だろうからです。
そこからの「with N」。看護師さんと各種計測機器を載せたオンライン「診療カー」の発想は医療リソースの有効活用及び、DXの活かし方として期待できるでしょう。実際、オンライン聴診器の先駆けである「ネクステート
Ⓡ」も搭載されているとか!
さて、そこで筆者が思ったのは「薬はどうするのか?」。
多少の薬は積んでいるのかも知れませんが、「診療カー」は軽トラックを改良したもので機動性はあるが、搭載機器各種を考えると薬に割くスペースはほとんど無いかも知れない。
そこで「モバイルファーマシー」と連動して運用出来ないかな?と。
既に岐阜薬科大学さんは「規制のサンドボックス制度」を活用した医療過疎地でのモバイルファーマシーでの調剤を実証実験中
*1ですし、「診療カー」の実験地である仙台市は宮城県薬剤師会の「元祖モバイルファーマシー」
*2が存在しています。
今では全国各地に20台ほど存在するモバイルファーマシーですが、災害時想定で配備されてはいるものの平時における有効活用が課題になっています。確かに平時は訓練かイベントなどの運用に限られてしまうでしょう。
限られた使用頻度では車両のメンテナンスも含めて覚束なくなる可能性もあり、平時から有効活用できる機会を持たせれば、非常時の活躍にも今以上に太鼓判が押せそうです。そんな背景もあり、「診療カー」には「モバイルファーマシー」をセットで組み込んだ運用スキームをぜひ検討してもらえたらと、医療リソース・ウォッチャーとしては思うわけです。
その際、「診療カー」で発行された処方データは電子処方箋で、簡単に「モバイルファーマシー」側で応需できるDXを準備しておく。加えて「診療カー」の間隙を縫って「モバイルファーマシー」が出向き疑義などが発生した際、来局している患者を交えて医師と面談できるようなシステムも搭載しておいた方が良いかも知れませんね。
というわけで、「D to P with N & P」推し。因みに2つ目のPはもちろん、Pharmacist。
*1 https://www.gifu-pu.ac.jp/news/2022/09/post-96.html
*2 https://www.mypha.or.jp/prefecture/useful/mobile-pharmacy/
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