メタバース内で患者体験をするPX(Patient eXperience)によって、認知症患者が感じているであろう感覚が一部体験出来るようになっているのだという。
例えば、認知症の心身機能障害として現れる症状には以下のようなものがある。
・色々なものが人の顔に見える
・形や大きさを正しく認識できない
・聞こえないはずの音が聞こえる
このような症状を、PXプラットフォームを使用して、体験するのである。
これらの体験を通じて、介護者側からみると、何で認知症患者はいつもできていることが出来なくなるのかわからないといった疑問の原因が理解でき、疾患や患者へ認識を変えることができるようである。
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今後、認知症患者、MCIレベルの患者は増えていくことが予想されている。
しかし、認知症患者へ対応できる介護職・医療職の数は圧倒的に不足している。
このプラットフォームを使用して、介護職・医療職を育成することはもちろんであるが、認知症患者の家族や周囲の人々が認知症を正しく理解することで、認知症の周辺症状(BPSD)の抑制につながるものと考える。
いずれにしても、日本における認知症対策は待ったなしの状況である。
介護分野におけるテクノロジーの更なる社会実装を期待したい。
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