電子処方箋の開発は、医療DXの一環として急速に進んでいます。令和7年度以降の主要開発事項を見ると、医療現場の声を反映した新機能の検討や、電子処方箋管理サービスの改修が進行しています。これらの開発は医療機関やベンダーに都度対応を迫らず、患者にとっても利便性の向上を実現することを目指しています。
▼電子処方箋の主な開発事項等について(令和7年度以降)▼
①電子処方箋管理サービスにおけるチェック機能の拡充
②処方箋事前送付の合理化・利便性向上
③電子処方箋データの更なる利活用
④薬局起点の情報(トレーシングレポート等)の共有・標準化等
引用元:第5回 電子処方箋等検討ワーキンググループ資料
https://www.mhlw.go.jp/content/11121000/001265476.pdf
特に注目すべきは、処方箋事前送付の合理化と利便性向上です。
現行の電子処方箋の仕組みでは、患者が引換番号と被保険者証記号・番号・枝番を薬局に伝達する必要がありますが、これが患者の負担となっていました。しかし、新たにマイナポータルを利用した「かかりつけ薬局」の設定により、自動的に薬局に電子処方箋が送付される仕組みが考えられています。これにより、患者の手間が減り、利便性が向上します。
また、電子処方箋データの更なる利活用も可能となります。感染症流行状況の分析や治療薬等生産計画の補助、医薬品流通量の把握等に活用できる可能性があります。さらに、薬局で作成するトレーシングレポート等の情報も電子化し、医療機関・薬局を跨いで共有できるようにすることが検討されています。
これらの進展は、医療DXの一環として、より高度な医療サービスの提供を目指しています。電子処方箋の新機能は、利便性はもちろん一人ひとりの健康管理にも大きな影響を与えそうです。
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