オンライン診療が普及する中で、診断はオンラインで完結できるものの、処方薬の受け取りは翌日以降の郵送になるケースが多かった。つまり、診断を受けた直後に医薬品を手にすることができないという"ラストワンマイル"の課題が残されていた。
ウーバー、処方薬を配送
最短30分、オンラインで手続き
Uber eats Japanが始めた薬局との医薬品配送サービスは、このラストワンマイルを解消する可能性がある。同社のサービスではオンライン診療で処方された薬を、アプリから最短30分で自宅に届けられるようになるという。
これまでオンライン診療を受けた場合、処方薬は院内処方扱いとなり、調剤済みの薬が翌日以降に郵送されてくるのが一般的だった。薬を診断を受けたその日のうちに手にできれば、患者の利便性は対面診療と同等となり格段に高まる。例えばアフターピルや、解熱剤、抗アレルギー剤などは診断を受けたのならば即座に欲しい医薬品だろう。
もっとも、医薬品は飲食とは異なり、配送時の温度管理や取り扱いなど、品質を損なわない徹底した対策が欠かせない。座薬を日の当たる玄関に置き配されては目も当たられない。Uberがいかに専門性を持って運用できるかが課題となりそうだ。
一方、小規模の地域密着型薬局にとっては、こうした大手薬局の広域での参入は医薬品という性質上、価格や品質で差別化することができないため、配送力や利便性で太刀打ちできなくなるリスクがある。医薬品の安全な提供と地域医療の両立が重要となる。
オンライン診療の恩恵を最大限に活かすには、ラストワンマイルの解決は避けられない。そこにUberのような異業種の大手配送サービスが参入することで、利便性向上と品質管理の両立を実現できるかが試される。
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