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薬局DXニュース解説

2024.01.26

高血圧治療補助アプリ発売から1年以上経過 ~治療用アプリが高血圧治療に与えたインパクトとは?~

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「CureApp HT 高血圧治療補助アプリ」が発売されて1年以上が経過した。
今回紹介する日経メディカルの記事の中では、治療用アプリの臨床における使用経験の蓄積から見えてきた、「アプリで治療する」患者像について特集されていたので、紹介したい。
また個々の患者に応じて、患者のどの生活習慣を改善することで降圧効果が期待できるのか?を明らかにし、治療用アプリによる個別化を目指す取り組みである「B-INDEX研究」についても紹介する。

「高血圧治療補助アプリ」登場から1年 見えてきた「アプリで治療する」患者像
高血圧治療補助アプリを使うことで、年齢(65歳以上/未満)や降圧薬の併用の有無に関係なく、有意な降圧効果が確認されている。
アプリを導入した医師によれば、短い診療時間の中では十分に説明しきれなかった生活習慣の改善方法について、アプリを通じて患者自身が学習し、知識や行動を身に付けられるようになるとコメントしている。
しかし、保険算定や収益面では課題が残っているようだ。

生活習慣病のひとつである高血圧症の治療において、治療補助アプリが寄り添ってくれるという点では、頼もしい存在であると言える。Society 5.0の目指す世界に一歩近づいていることが実感できる。
このようにアプリが社会実装されていることを考えると、薬剤師もどのような患者に対してアプリが適しているのかの理解を深めておく必要がありそうである。

そこで、次にどんな方にアプリの使用が向いているのかを伝えている記事があるので、紹介したい。
記事では、アプリの使用が向いている患者を「身体面」と「性格面」に分けて整理しているので、紹介したい。

【身体面】
・BMIが高い人
・塩分摂取量が多い人
・比較的軽度の高血圧で、罹患期間が短い人
【性格面】
・疾患にしっかり向き合い、意欲を持って治療に取り組める人
・降圧薬の服用開始や追加に抵抗感があるが、血圧を下げたいという思いは持っている人
・治療の必要性は感じているが、具体的にどうすればいいのか分かっていない人
・健康志向が強く、正しい知識を身に付けたいと思う人

記事の中に、アプリによる治療が向いているケースとして「降圧薬の追加や開始を嫌がる患者」がある。薬剤師の皆さんもこのような患者さんに遭遇することが多いと思いますので、アプリの使用も選択肢の中に入れてみてはいかがでしょうか。
記事の中にも書かれているが、高血圧治療補助アプリが登場したことの意義は、既存の治療を活用しきれていなかった患者さんへ、生活習慣改善という根本的な高血圧治療を届けるツールになっていることである。そして、アプリの登場により高血圧の進行や常態化を食い止めるための手段が増えたことにあると筆者も考えている。

冒頭で紹介した「B-INDEX研究」により、どの生活習慣がどれだけ改善したかという客観的指標と、患者がどの生活習慣を特に意識し、何について頻繁に振り返りを行っていたのかといった主観的指標の両面から、生活習慣改善と降圧効果との関係性が今後、明らかになることを期待している。
株式会社CureAppプレスリリースより

株式会社CureAppプレスリリースより

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