少々遅きに逸した感はあるが、ついに国産初となる新型コロナウイルスワクチンが承認される見込みとなった。
厚労省は第一三共が開発した、米国ファイザーやモデルナと同様のmRNA型のワクチン「ダイチロナ」を承認したと発表。第一三共と140万回分のワクチン購入で合意した。12月上旬にも医療機関への配送が始まり、現在実施中の接種での使用を予定するという。
ただ、政府はファイザー、モデルナと計4500万回分を購入契約しているため第一三共のワクチンは接種できる会場が限られる可能性がある。
今回、第一三共が開発したワクチンの特徴は輸送と保管時の温度が高い点だ。mRNAは不安定な物質なため、輸送と保管時には両社のワクチンは-90℃~-60℃の超低温で輸送と保管する必要がある。医療機関にはディープフリーザーという特別な冷凍設備が必要だった。
今回、第一三共はこの問題を克服。2〜8度の冷蔵で輸送と保管が可能だという。これは市販の冷蔵庫で対応可能な温度範囲でありディープフリーザーを導入していない医療機関や医療MaaS車両などに搭載して出張接種が可能となる。
今回は、新型コロナウイルスに対してだが、mRNA技術は工業的に大量生産が可能であり、変異に対しても素早く対応可能。インフルエンザやその他の感染症に対しても有効な技術であり、世界的なパンデミックに備えるという点では安全保障上の観点からも国産化が望まれていた。
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