Meiji Seika ファルマ株式会社が、日本看護倫理学会の「新型コロナウイルス感染症予防接種に導入されるレプリコンワクチンへの懸念」に関する声明に対して、二度目となる正式見解を発表した。同社は2024年10月9日に最初の見解を示していたが、今回、最新の科学的データを踏まえて再度反論している。
特に注目すべきは、「レプリコンワクチンが開発国や先行治験国で認可されていない」という学会の主張に対し、明治製薬が2025年2月12日付で欧州委員会(European Commission)によって同ワクチンが承認され、EU加盟国を含む欧州30カ国で承認されたという事実を明示した点だ。これにより「海外で未認可であることは安全上の懸念がある」という主張は成立しなくなったと同社は指摘している。
また、「シェディング問題」(ワクチン接種者から非接種者への感染懸念)についても、2024年10月17日に日本感染症学会、日本呼吸器学会、日本ワクチン学会の3学会による見解および厚生労働省のQ&Aにおいて、シェディングが明確に否定されていることを強調。同社は「当声明の引用論文の信頼性も含め、当学会には声明内容の検証を求める」と厳しい姿勢を示している。
特に、学会が根拠として挙げていた論文(Seneff & Nigh, 2021)については、PubMedに掲載されていない低信頼度の情報源であると指摘。科学的知見を装った情報の危険性についても言及している。
この一連の対応は、科学的根拠に基づかない情報が一般市民の不安を煽ることで、公衆衛生に悪影響を及ぼすことを懸念した明確な姿勢と見ることができる。今後、この問題が法的措置に発展する可能性も含め、医療関係者間の科学的議論のあり方についても注目される。
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