ICTで高齢者の健康管理 どうやって?…家電の使用状況で生活の乱れを把握するサービスも
北海道更別村では、時計型のウェアラブル端末を利用した健康管理を行っている。
この取り組みでは、村のクラウドサービスを利用しており、本人がスマートフォンから血圧、血中酸素濃度、歩数、睡眠時間などが確認できる。さらに、心拍数や血圧に異常があれば、本人や家族に通知されるとのことだ。
また、奈良県立医大発のベンチャー企業「MBTリンク」は、家庭の電力の使用状況から高齢者の異常を察知する見守りサービスを展開している。
これまでは、電力の使用状況から30分ごとの確認であったが、1分単位で分析できるとのことで、詳細な分析により、認知機能の低下にも気づきやすいという特徴があるとのこと。
大阪府豊中市では、NECと連携し、高齢者の体力測定結果や栄養状態、歩行姿勢の収集と分析を始めたと伝えている。
こうした客観的なデータから、個別最適化された適切な情報を提供を行い、高齢者自身が運動や食事などで健康的な生活習慣を意識付けする目的があるとこと。
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各自治体でのICTを活用した取り組みが徐々に進んできており、何よりこうした取り組みを受け入れている高齢者が増えてきていることがわかる記事である。
これまでのマンパワーに依存した、総合支援事業は介護人材不足、各施設のキャパシティ、予算の面からも限界に達している。こうした、ピンチが医療・介護へのICTの社会実装のドライビングフォースになっていることは間違えない。
当然、新しい取り組みなので、成功事例もあれば失敗事例も出てくるであろう。大切なのは、各事例の検証とエビデンスの構築であると考えている。
また、ICTを活用した様々な健康管理データは、ケアプランを作成する際にも有用で、総合支援事業、介護予防、介護を効率化させ、重症化予防につながると考える。
今後も各自治体と企業の連携による、ICTのさらなる活用に大いに期待したい。
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