こちらは厚生労働省が4月に発表した「診療報酬改定DX対応方針(案)」です。
https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001091070.pdf
8月に行われた中央社会保険医療協議会「医療DXその2」の中で、次回報酬改定時期の「後ろ倒し」が承認され、薬価改定は4月1日~、新報酬(医療)は6月1日~ということがほぼ決まりました。
その背景には「診療報酬改定DX」があるのですが、皆さんは何のための「後ろ倒し」なのか理解しているでしょうか?
「診療報酬改定DX」は6月に公表された「骨太の方針」にも記載されている医療DXの一つです。
医療DXは①医療情報を統合する「全国医療情報プラットフォームの構築」、②診療報酬改定等の効率化を進める「診療報酬改定DX、③医療データを集約するための「電子カルテシステムの標準化と導入の推進」の3つを取りまとめたものです。
「診療報酬改定DX」で掲げられているテーマは
①共通算定モジュールの開発・運用
②共通算定マスタ・コードの整備と電子点数表の改善
③標準様式のアプリ化とデータ連携
④診療報酬改定施行時期の後ろ倒し等
が挙げられています。
従来3月に新報酬が発表され、4月開始に向けベンダが開発をするわけでですが開発の時間が非常にタイトで負担になっていることが課題に挙げられていました。また疑義解釈も乏しく解釈に統一性がないことも課題となっていました。
今回の後ろ倒しで、関係する団体で「共通算定モジュール」を開発し、それらを各ベンダに配布、基軸とすることで算定の標準化とシステム開発の効率化を目指すとしています。
その他、施設基準の届出など紙媒体で行っているものを「電子申請」へと切り替えることが「③標準様式のアプリ化とデータ連携」に盛り込まれています。
施設基準の届出は地味に面倒な作業ですよね。電子申請できるようになることで、処理する事務側もそうですが薬局の負担もかなり軽減するのではないでしょうか?
医療DXが進められると同時に「支払基金改革」というモノが進んでいます。審査請求や届出に関する業務などをICT化による固定費・人件費の削減が知らない所で進められています。
医療DXに対する患者・事業者のメリットがまだ感じずらい状況にありますが、「施設基準のオンライン化」は皆さんにとってもメリットのある改革と言えるのではないでしょうか。
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