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薬局DXニュース解説

2023.09.05

「患者の利便性追求」ー敷地内薬局事件から考えるコトー

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KKR札幌医療センター(北海道札幌市)が発注した敷地内薬局の整備事業を巡り、特定の業者が受注できるよう便宜を図った同センターの元事務部長が偽計入札妨害の疑いで逮捕され、不正に受注したアインファーマシーズの役員らも逮捕された。

<独自>KKR札幌病院入札妨害 薬局敷地賃借料、当初提案の1・7倍に 元部長要求、業者が変更
Yahoo!ニュースの記事です。(元記事は北海道新聞)
https://news.yahoo.co.jp/articles/47a75e7fb59795827ede745d378c5d04bd68b108
KKR札幌病院入札妨害。薬局敷地賃借料、当初提案の1.7倍に

調剤報酬改定を控えた9月。業界の今後を揺るがす大きなニュースとして「敷地内薬局公募に伴う入札妨害」が入ってきました。すでにこのニュースをご存じの方も多いので内容は割愛しますが、業界最大手の薬局企業幹部が逮捕されるなど今後の改定にも大きな影響を与えます。

逮捕者が出た事件ですが、「敷地内薬局の整備事業をめぐる入札妨害事件」として取り扱われています。保険薬局としては療養担当規則に定める「利益供与」に関する問題が今後出てくると思います。さらには、公募概要のほとんどに、「行政処分など法を犯していない」ことが挙げられるため、現在進捗中の案件も含め、2次・3次へと影響が広がっていくことが予想されます。

敷地内薬局誘致に関しては、同じ北海道の北海道大学病院で入札のやり直しに際し、捜査機関が介入もしたという噂もあり報道されています。

今回のKKR札幌病院の公募に関しては、私自身は公募段階から色々な話は耳にしていましたが、実際には全国あちこちよく耳にする話の一つとして認識をしていました。

敷地内薬局誘致に関する是非は色々とありますが、患者視線で考えると「好評である」といった情報が多く業界とのギャップが見えてきます。

敷地内解禁に繋がった規制改革は「2014年」に行われました。議論した委員の多くはいわゆる「患者」であり、いまの規制改革にもつながることですが、「利便性」を第一とした「かかりつけ」とは無縁の考え方を持つ方々だと認識しています。

医療とビジネスのバランスを取ることは非常に難しいことではありますが、敷地内薬局は低報酬が設定されていますが、多くの患者の来局が見込まれます。かつて、獨協医科大学病の敷地内薬局では1日に1100枚の処方箋を応需したという報道もありました。

処方箋最多1日1100枚超、応需「日本一」 アイン敷地内「獨協医大店」、多い外来数・少ない競合
https://pnb.jiho.jp/article/p-27630
処方箋最多1日1100枚超、応需「日本一」 アイン敷地内「獨協医大店」、多い外来数・少ない競合

医療機関側もアメニティ施設という名の、自己の都合に合わせた施設や店舗を依頼できるため非常に”おいしい案件”といえます。

令和4年度改定では、地域医療支援病院などを対象に「急性期充実体制加算」が新設され、「敷地内薬局を有していないコト」が条件に挙げられましたが、大学病院などは「特定機能病院」に該当し、上記加算の対象でないことから、敷地内薬局の誘致を進めています。

患者のためを追求した規制改革を行ったゆえに起きたこのような事件に対して、今後厚労省の適切な対応に注目が集まります。

患者の利便性追求といった視点では近年、医療機関と薬局のシステムを連動させ、処方箋情報の先送りシステムなるものをよく目にするようになりました。医療機関から特定の薬局に患者を誘導することは療養担当規則で禁止されている行為ではありますが、

「どこの薬局に行くかは自由」ただ、「門前薬局に行くともう薬が出来ている」

たしかにこれは療養担当規則に触れていないのかもしれません。

患者は「どこでもらうか」ではなく「すぐもらえるところでほしい」をニーズとしている。
保険薬局に求める姿と、患者が求める”リアル”に大きなギャップが生じてしまっていることを考えなくてはいけないように感じます。
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