2018年に厚労省は中央社会保険医療協議会総会で薬剤耐性(AMR)菌対策として、小児科外来診療料等について「小児抗菌薬適正使用支援加算」を新設するほか、地域包括診療料・加算などかかりつけ医機能を評価する点数の要件として、「抗菌薬の適正使用に関する普及啓発に努める」「抗微生物薬適正使用の手引きに則した治療手順等、抗菌薬の適正使用に資する診療を行う」ことを追加する方針を打ち出しました。
これは、小児科で明らかに風邪など症状の場合は抗菌薬を処方しないことを説明した場合、800円の診療報酬が加算されるという制度です。
「小児抗菌薬適正使用支援加算」算定要件
急性上気道感染症または急性下痢症により受診した小児であって、初診の場合に限り、診察の結果、抗菌薬投与の必要性が認められず抗菌薬を使用しないものに対して、抗菌薬の使用が必要でない説明など療養上必要な指導を行った場合
論文によれば、この制度導入以降、抗菌薬の処方は約18%減少しましたが、懸念されていた入院や時間外外来受診は増加しなかったとのこと。ここからわかることは、適切な政策介入を行うことで適切に医療費を削減することは可能ということです。