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薬局DXニュース解説

2023.03.01

適切な政策介入を行うことで医療費削減は可能

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薬剤耐性(AMR)菌対策での実例で明らかになった事実とは?

2018年に厚労省は中央社会保険医療協議会総会で薬剤耐性(AMR)菌対策として、小児科外来診療料等について「小児抗菌薬適正使用支援加算」を新設するほか、地域包括診療料・加算などかかりつけ医機能を評価する点数の要件として、「抗菌薬の適正使用に関する普及啓発に努める」「抗微生物薬適正使用の手引きに則した治療手順等、抗菌薬の適正使用に資する診療を行う」ことを追加する方針を打ち出しました。

これは、小児科で明らかに風邪など症状の場合は抗菌薬を処方しないことを説明した場合、800円の診療報酬が加算されるという制度です。
「小児抗菌薬適正使用支援加算」算定要件
急性上気道感染症または急性下痢症により受診した小児であって、初診の場合に限り、診察の結果、抗菌薬投与の必要性が認められず抗菌薬を使用しないものに対して、抗菌薬の使用が必要でない説明など療養上必要な指導を行った場合
論文によれば、この制度導入以降、抗菌薬の処方は約18%減少しましたが、懸念されていた入院や時間外外来受診は増加しなかったとのこと。ここからわかることは、適切な政策介入を行うことで適切に医療費を削減することは可能ということです。
大久保祐介、西明宏、Karin B Michels、Hiroki Nariai、Robert J Kim-Farley、Onyebuchi Arah、Kazuhiro Uda、Noriko Kinoshita、Isao Miyairi、抗生物質を処方しないための財政的インセンティブの結果: 日本の全国的な準実験、国際Journal of Epidemiology、第 51 巻、第 5 号、2022 年 10 月、ページ 1645 ~ 1655、https://doi.org/10.1093/ije/dyac057

ChatGPTによる要約

この論文は、日本において抗生物質の処方を減らすための金銭的インセンティブが導入された結果について調査したものです。日本全国の医療機関を対象に、2016年から2019年までの期間において、抗生物質の処方を減らすための金銭的インセンティブが導入された地域と導入されなかった地域を比較しました。

研究結果によれば、金銭的インセンティブが導入された地域では、抗生物質の処方数が減少しました。一方、導入されなかった地域では、抗生物質の処方数に変化は見られませんでした。

また、金銭的インセンティブの効果は、地域の診療科や医療機関の規模によって異なることが分かりました。特に、小規模の医療機関においては、金銭的インセンティブがより効果的に抗生物質の処方数を減らすことができました。

研究者たちは、金銭的インセンティブが抗生物質の過剰処方を抑制するための有効な手段であることが示されたと結論付けています。さらに、地域の診療科や医療機関の規模に応じた施策の適切なカスタマイズが必要であることが示唆されました。
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