現時点での中央社会保険医療協議会(以下、中医協)での議論を過去と比較すると、8月末時点では主たる「外来」「入院」「歯科医療」「調剤」「在宅」という項目に関する議論が終わっているのが通例ですが、2026年度改定においては、8月中旬の時点で7月に行った「外来(その1)」「入院(その1)」のみとなっており、8月末に向けた中医協の開催スケジュールの公表はされていません(8月19日時点)。
前回改定から新報酬のスタートは6月となり、時間的な余裕ができましたが、議論自体は例年通り2月に答申を発表し、3月に官報による告知、すなわちこれまで通りのスケジュールで議論を進めていくとしています。
令和8年度診療報酬改定に向けた主な検討スケジュール(案)
引用元:
中央社会保険医療協議会 総会(第606回)
中医協では10月からの「その2シリーズ」から、より具体的かつ厳しい議論の応酬になってきます。
当然ながら、「その1」(方向性と論点整理)を踏まえて「その2」(具体的な議論)へと進むため、議論自体が遅れるということは運営サイドでの準備の後手に回っていくことを意味します。
しかしながら、重要な報酬改定であり、かつ論点も多い2026年度改定に対しそのような状況で進めていっていいのかというと後の大問題となりかねません。
そこで考えられるのは、「①政治的混乱で政策の方向性が定まらない(本当に混乱)」「②水面下で構成は進んでいるが表に出すタイミングを計っている」の2つです。
②については昨今の中医協でも「議論の形骸化」「中医協をないがしろにした政府主導」に対する問題的がされています。
いずれにせよ、議論が遅れる(水面下)状況は、対応する医療機関・薬局にとって良い状態とは言えません。このような環境の中でどうやって情報を整理し対応していくのかが次回改定に向けた大きなキーポイントとなってきます。
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