睡眠障害治療薬モディオダールとは?
モディオダール(一般名:モダフィニル)は、ナルコレプシーや特発性過眠症などの睡眠障害に伴う過度の眠気を改善する中枢神経刺激薬である。1976年にフランスで開発され、日本では2007年に承認された。
本剤は、脳内の覚醒システムに作用して日中の眠気を軽減する効果があり、睡眠障害に悩む患者の生活の質を大きく改善する重要な治療薬として位置づけられている。従来の中枢神経刺激薬と比較して、依存性が比較的低いとされているものの、海外では学生の学習効果向上や軍事目的での使用、さらにはスポーツ選手による興奮剤としての使用など、医療目的以外での乱用事例が報告されている。
このような背景から、日本では発売当初から厳格な管理体制が構築された。処方・調剤には事前の登録が必須とされ、医師はeラーニングによる研修を受講し、適正使用に関する十分な知識を得ることが求められている。薬局においても、登録された調剤責任者のもとでの調剤が義務付けられており、処方箋の確認から服薬指導まで、一貫した管理体制が敷かれている。
このように、モディオダールは睡眠障害治療における有用性と同時に、適正使用の確保が特に重要視される医薬品の一つとなっている。
モディオダール適正使用委員会
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