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薬局DXニュース解説

2025.01.31

睡眠障害治療薬「モディオダール」の不適切調剤が発覚

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睡眠障害治療薬モディオダールについて、登録制度に違反する処方箋での調剤が確認され、日本薬剤師会は2025年1月21日、全国の薬剤師会に対して調剤時の確認徹底を求める通知を発出した。

未登録医師からの処方箋で調剤、日本薬剤師会が確認徹底を通知

モディオダール適正使用委員会の周知依頼を受けた本通知は、ナルコレプシーや特発性過眠症などの睡眠障害治療に使用される同薬の不適切な調剤事例が複数報告されたことを受けてのものである。モディオダール(一般名モダフィニル)は、薬物依存のリスクから、委員会が定める適正使用基準に基づき、事前登録制度による厳格な管理下で処方・調剤が行われている。

同委員会によると、2024年中に未登録医師からの処方箋でモディオダールが調剤されているとの匿名通報が複数回寄せられた。調査の結果、一部の薬局において処方箋発行医師の登録確認が適切に実施されていなかったことが明らかとなった。
睡眠障害治療薬モディオダールとは?
モディオダール(一般名:モダフィニル)は、ナルコレプシーや特発性過眠症などの睡眠障害に伴う過度の眠気を改善する中枢神経刺激薬である。1976年にフランスで開発され、日本では2007年に承認された。
本剤は、脳内の覚醒システムに作用して日中の眠気を軽減する効果があり、睡眠障害に悩む患者の生活の質を大きく改善する重要な治療薬として位置づけられている。従来の中枢神経刺激薬と比較して、依存性が比較的低いとされているものの、海外では学生の学習効果向上や軍事目的での使用、さらにはスポーツ選手による興奮剤としての使用など、医療目的以外での乱用事例が報告されている。
このような背景から、日本では発売当初から厳格な管理体制が構築された。処方・調剤には事前の登録が必須とされ、医師はeラーニングによる研修を受講し、適正使用に関する十分な知識を得ることが求められている。薬局においても、登録された調剤責任者のもとでの調剤が義務付けられており、処方箋の確認から服薬指導まで、一貫した管理体制が敷かれている。
このように、モディオダールは睡眠障害治療における有用性と同時に、適正使用の確保が特に重要視される医薬品の一つとなっている。
モディオダール適正使用委員会
適正使用基準では、薬局は調剤の都度、処方医師が委員会のウェブサイトで確認できる登録医療機関の登録医師であることを確認することが義務付けられている。インターネットが使用できない場合は、登録センターへの電話確認も可能とされている。

今回の事態を重く見た委員会は、薬局での確認手順の徹底を求め、日本薬剤師会を通じて注意喚起を行った形だ。本件は、医療用医薬品の適正使用における管理体制の重要性を改めて浮き彫りにしている。
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