PMDAから重要な通知が発表されました。この通知では、解熱鎮痛消炎剤系医薬品の使用上の注意について大幅な改訂が行われています。特に妊婦への投与に関する注意事項が強化されました。
改訂の主なポイントは、シクロオキシゲナーゼ阻害剤を妊婦に使用する際のリスクについてです。これまでは胎児の腎機能障害や羊水過少症のリスクが知られていましたが、今回の改訂では胎児の動脈管収縮のリスクも明記されました。
例えば、アスピリンやイブプロフェンなどの一般的な解熱鎮痛薬の使用上の注意には、次のような記載が追加されています。「シクロオキシゲナーゼ阻害剤を妊娠中期以降の妊婦に使用し、胎児の動脈管収縮が起きたとの報告がある。また、妊娠後期はその発現リスクがより高くなることが知られている。」
さらに、妊婦への投与に際しては、「羊水量、胎児の動脈管収縮を疑う所見を妊娠週数や投与日数を考慮して適宜確認するなど慎重に投与すること」という具体的な指示が追加されました。
この改訂は、経口薬だけでなく、貼付剤や塗布剤などの外用薬にも適用されています。例えば、ロキソプロフェンナトリウム水和物の外皮用剤などにも同様の注意事項が追加されました。
また、一般用医薬品のイブプロフェン含有製剤やロキソプロフェンナトリウム水和物含有製剤にも、心筋梗塞や脳血管障害のリスクに関する注意喚起が追加されています。
医師、薬剤師の皆様は、これらの改訂内容を十分に理解し、患者さんへの適切な情報提供と慎重な投薬を心がけることが重要です。特に妊婦への投与については、リスクとベネフィットを慎重に検討し、必要最小限の使用にとどめるよう注意が必要です。
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