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薬局DXニュース解説

2024.10.01

電子処方箋を発行する意義とは~本当に必要?~

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国が進める医療DXの一つに「電子処方箋」が挙げられます。
医療DX推進体制整備加算の算定要件にも「電磁的記録を持って作成された処方箋を受け付ける体制を有していること(電子処方箋システム)」(経過措置 令和7年3月31日まで)となっており、本格的な普及は令和7年度からになると予想されます。

「電子処方箋は本当に必要なのか」について皆さんはどうお考えですか?
9月11日に開催された第3回電子処方箋推進会議では「紙の処方箋に比べて業務が増加する」「診療報酬上の対応も考えて頂きたい」という意見が出ていたようです。

こちらはドラビズオンラインの記事です。
https://www.dgs-on-line.com/articles/2733

私個人の考えをお伝えすると「電子処方箋の発行にはそんなに意味はない」と考えています。
電子処方箋に対し否定的な意見に思われるかもしれませんが、電子処方箋のシステムを導入すること自体は大賛成です。

矛盾するように感じるかもしれませんが、理解するには「電子処方箋システム」について正しく理解する必要があります。

導入が求められる電子処方箋のシステムは「電子処方箋の発行・受付」、「処方・調剤結果の集約」という大きく2つの目的があります。 

どちらが重要なのかというと圧倒的に後者となります。「処方・調剤結果」は原則毎日「電子処方箋管理サービス」という場所にアップされ、その日発行された処方箋情報、行われた保険調剤情報が集約されます。翌日以降は、電子処方箋システムを通じた「処方調剤情報の確認」や「重複チェック」等に活用されます。

「電子処方箋システムの導入は必要」という意味はご理解いただけましたか?

一方で電子処方箋の発行は、「紙の処方箋原本を失くす」こと以外に大きなメリットは見受けられません。
引換券番号を薬局に事前送付することで、「待ち時間の短縮」が測られるとしていますが、処方箋画像の事前送付はすでに色々な薬局で行われています。

電子データが原本になるので、「処方箋原本の回収をしなくてよい」という点は在宅医療やオンライン服薬指導において、少しメリットがあるかもしれませんが、トランスフォーメーションと呼べるものではないです。

オンライン診療・服薬指導が現時点でそこまで広がっておらず、ほとんどが対面による服薬指導が行われています。
ゆえに、無理して電子処方箋を発行する必要性は患者需要も含めてないのではないでしょうか?

効率化のためのDXにも関わらず、現場負担が増える、報酬が付くことで患者負担が増えては本末転倒です。
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