いよいよ10月から長期収載品の選択に対する「選定療養」が始まります。
先日開催したオンラインセミナーにも多くの方にご参加いただき、質疑もたくさん受けたことからその注目の高さを実感しています。
選定療養に関する疑義解釈は少なく、薬剤師による判断が問われるものが多いように感じています。
すでに対象となる医薬品が公表され、薬局単位で該当品目の洗い出しをおこなっていることかと思いますが、不思議な点が出てきたのでご紹介します。
１つ目は巷で話題の「ヒルドイドローション」です。対象品目に挙げられていますが、長期収載品は25g包装があるのに対し、後発医薬品は25gがないことが話題になっています。
今回の対象医薬品リストは成分・規格等でピックアップしているため包装単位が考慮されていないことが要因に考えられます。
2つ目は「クラビット錠」です。対象となる医薬品が後発品医薬品の薬価収載後5年以上経過した医薬品(置換率１％未満を除く)となっているため、対象となる医薬品に該当するのですが、リストを確認すると「500㎎」はあっても、「250㎎」は確認ができません。
同様に「ロキソニン錠60㎎」もリストに入っていないことに気が付いているでしょうか。
どちらも後発医薬品の薬価収載後5年以上経過し、かつ置換率は１％以上であると考えられますがリストに入っていません。
この理由は、対象となる医薬品の条件「先発医薬品の薬価を後発医薬品が上回っていないこと」に該当することが挙げられます。
【選定療養の対象】
クラビット500㎎ 薬価 133.3円(錠)/レボフロキサシン錠500㎎「ケミファ」 薬価 91.8円(錠)
ロキソニン細粒10％ 薬価 15.5円(ｇ)/ロキソプロフェンNa細粒10％「サワイ」 薬価 14.3円(ｇ)
【選定療養の対象外】
クラビット250㎎ 薬価 70.4円(錠)/レボフロキサシン錠250㎎「ケミファ」 薬価 76.7円(錠)
ロキソニン錠60㎎ 薬価 10.1円(錠)/ロキソプロフェンNa錠60㎎「ツルハラ」 薬価 10.6円(錠)
医療費抑制のために後発医薬品の推進が進められていますが、先発医薬品を調剤した方が医療費が抑制されるという医薬品がチラホラと存在します。しかし調剤報酬上の後発医薬品調剤体制加算は後発医薬品を調剤することが調剤率を上げる条件となるため矛盾が生じているといえます。
上記以外にも同じ成分でもミリ数違いで対象・対象外と異なる医薬品がありますので、注意が必要です。
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