2026年1月23日に診療報酬改定「短冊」が発表となり薬局業界が慌ただしくなっています。
短冊の内容については、弊社でもYouTubeをアップしていますし、SNS等で色々な方が整理した内容を伝えていますので、そちらをご確認いただければと思いますが、今回改定にあたり気になる部分があったのでお伝えします。
それが調剤報酬改定と「薬機法」の関係、特に「特定調剤業務」(外部委託)についてです。
調剤報酬改定が終わると薬機法改正施行がやってきます。現在、薬局認定制度や特定調剤業務の要件は決まっておらず公表されていませんが、特に特定調剤業務は処方箋を応需した店舗と特定調剤業務(調剤)を実施する店舗が異なり、現時点では受託店舗での技術料算定は認められていません。また、委託店舗においても実調剤を行っていないことから、受託業務で行った調剤業務に係る報酬を算定することは出来ないと考えます。
ですので、特定調剤業務の施行と共に、調剤報酬上でもその取扱いを定める必要があると考えます。そのように考えると、法律の施行は今年または来年早々としても、実際の運用は次回調剤報酬改定からになると考えています。
(特定調剤業務の開始に伴い、厚労省がルールを変更することはありますが)
なぜ外部委託をするのか「外部委託」「内部委託」の存在
「調剤の一部外部委託」に関する議論が進められ薬機法改正にたどり着きましたが、その趣旨は「小規模な薬局でも対人業務により多くの時間を充てられるよう調剤業務を委託する」としています。一方でかねてより、「外部委託」ではなく「内部委託」と私は主張をしてきましたが、「内部委託」とは自店舗の施設調剤等の調剤業務をセントラル化すること。受付及び対人的な業務は各店舗で行うことと考えています。
各店舗で受付し、対人業務(報酬算定)をするということは、負担となる調剤業務を行わずに済むので非常にメリットは大きいです。また、対人業務においても調剤専門のセンター薬局の薬剤師が委託薬局に登録することでその店舗の薬剤師として対応・算定することも可能です。内部委託はチェーン企業にとってとても効率化できる改革といえます。
今回の改定は「内部委託」抑制に対する布石ともいえる
改正薬機法施行を控えた調剤報酬改定。調剤基本料の受付回数、集中率の見直しが行われました。ひとつは「基本料受付回数の計算式に、在宅報酬処方箋受付回数(2人区分以上)を追加する」ことです。いままで、施設調剤の処方箋(在宅報酬算定)は受付回数から除外されていましたが、受付回数に含まれることにより見直された調剤基本料2「1800回超かつ集中率85%超」に該当する可能性が高まります。
そのうえで、「高齢者施設及び特別養護老人ホーム等に関する処方箋は集中率の分母・分子から除外」となります。これまで集中率を下げるために講じられてきた在宅報酬を算定しない高齢者施設、および特別養護老人ホームなどの処方箋が分母から除外されるようになり、集中率引き下げの効果を持たなくなります。
結果として、外部委託は受付回数のみ増加するだけとなり、集中率引き下げのために応需していた特別養護老人ホームなどはその意味を失うことになります。特別養護老人ホームの処方箋の取扱いは今回改定の隠れたポイントといえます。
それでもすでに調剤基本料1以外の薬局にとっては受付回数はすでに関係がなく、施設調剤の負担が軽減するので大きな効果を持つといえますが、目的の一つが果たせないことは想定外といえます。
黄色信号で、逆に外部委託が進むのでは
メリットの一つが無くなったと言いながらも「外部委託は進む」と考えます。施設処方箋が受付回数に含まれるのであれば、外部委託をした方が基本料1の薬局にとってリスクは軽減できますし、新地域支援が前回同様に「1万回あたり」という実績回数を用いるのであれば、受付回数は少ない方が求められる実績要件は低くなります。効率化を目指す企業にとってはいっそのこと施設調剤業務をすべて外部委託をした方が、個々の店舗の業務がスリム化し効率化できる可能性があります。
特定調剤業務の要件がいつ公表されるのか、そしてその要件、調剤報酬上の取り扱いがどうなるのか。
この内容によって、またさらに薬局のあり方は変化するように思います。
comments