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薬局DXニュース解説

2024.03.21

麻疹が世界的に拡大 30~50代は要注意!感染すると獲得免疫が「リセット」される

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現在、世界各地で麻疹の流行が確認されており、国内でも警戒が必要な状況となっている。武見敬三厚生労働相は8日の記者会見で、「国内も注意必要」と指摘し、ワクチン接種を呼びかけた。

武見敬三厚生労働相は8日の記者会見で、世界各地ではしかの感染が拡大している、国内での感染拡大を防ぐためにワクチン接種の検討を呼び掛けた。
麻疹はウイルス性の感染症で、感染力がウイルス感染症の中でも群を抜いて強く、免疫を持たない人がさらされた場合100%発症する。発症した場合、医療の整った先進国でも1千人に1人は死亡すると言われる。
ワクチン接種により効果的に予防できるが、ワクチン接種率の低下や海外渡航の再活発化などで、世界的な流行が危惧されている状況にある。

麻疹感染で獲得免疫がリセットされる!

最近、厄介な麻疹の特性が明らかになった。米国ハーバード大学の研究者らが率いる国際チームは、麻疹ウイルスが免疫システムを「リセット」してしまうことを発見したのだ。過去にかかった病気を「記憶」する抗体を11~73%消し去ったという。中には免疫力が新生児ほどにまで低下したケースもあった。抗体が消失するため、新型コロナを含む別の感染症にかかりやすくなるというリスクがあるという。
米科学誌サイエンス(Science)に掲載された研究で、はしかウイルスが免疫システムを「リセット」することが分かった。
世界保健機関(WHO)によると、ロシアや中央アジアを含む欧州地域での感染報告数は2022年の937人に対し23年は5万8千人を超えた。国内外で警戒が必要な状況と言える。マスク着用や手洗い、ワクチン接種などの予防対策が欠かせない。

30代~50代は要注意!

かつて麻疹にかかれば生涯免疫が付くと考えられてきたが、最近の研究で疑問視される見方が出ている。
ワクチン接種や、一度感染すれば終生免疫が付くとされてきた。しかし麻疹ウイルスに対する免疫は年月とともに徐々に低下する可能性があることが指摘されている。
また、日本人の30代~50代は幼年期にワクチンが定期接種となっていなかった時代を過ごしており、運良く感染することなく大人になったケースや、何らかの事情で接種できなかった人が相当数いることが問題となっている。
生年月日
1972(昭和47)年9月30日以前生まれ  1回も接種していない可能性が高い年代。1978年(昭和53年)10月1日から定期接種が開始していますが(対象者は生後12ヵ月から72ヵ月)、自然感染によって免疫を十分に持っている人以外は,合計2回のワクチン接種をお勧めします。
1972(昭和47)年10月1日~1990(平成2)年4月1日生まれ 定期接種としては1回しか接種していない年代。特例措置(*)非対象者のため、免疫を十分持っていない可能性があります。これまでに合計2回の接種を受けていなければ、追加接種をお勧めします。
1990(平成2)年4月2日~2000(平成12)年4月1日生まれ 特例措置対象者(*)に相当する年代。接種率が低かったため,対象時期に2回目の接種を受けおらず、これまでに合計2回の接種を受けていなければ、追加接種をお勧めします。
2000(平成12)年4月2日以降生まれ 定期接種として2回接種を受けている年代。これまでに合計2回の接種を受けていなければ追加接種をお勧めします。
*特例措置:
2008(平成20)年4月1日から5年間の期間限定で実施された措置のこと。麻しん風しん混合ワクチンの定期接種対象者が第3期(中学1年生相当)、第4期(高校3年生相当)にも拡大され、2回目のワクチンが接種可能でした。

どうすればいいのか?

現在日本で接種可能な麻疹ワクチンはMRワクチンとなります。これは風疹と麻疹を防ぐ混合ワクチンです。定期接種ワクチンですので、お子さんがいらっしゃれば、なじみがあるでしょう。
また、風疹は妊婦さんが感染すると胎児に先天性風しん症候群を起こすおそれがあります。職場などに妊婦さんがいる環境であれば、ぜひ打っておいてほしいところ。しかもMRワクチンは麻疹も防げるのでオトクです。

大人の接種は自費となります。抗体検査を勧められる場合もありますが、抗体があっても追加接種すること自体には何の問題もありません。検査すると結果を聞きにまた足を運ばねばならず、面倒なので問答無用で直接接種してしまうことをオススメします。
定期接種を打ち損じた場合や、幼少時期にワクチンがなかった病気の予防のために、定期接種のスケジュール対象外の年齢でも必要なワクチンを打ちましょう。
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