子どもが体調を崩したときの看病で、多くの保護者が直面する問題の1つが薬の服用です。薬の味や匂いが原因で、子どもが薬を飲むのを嫌がることがあります。
そこで多くのご家庭では、プリンやヨーグルトなど子どもが普段好きな食べ物に混ぜて服薬させようと試行錯誤しています。とはいえ、中にはかえって苦みを強調してしまったり、食品の酸性度などで薬の薬効を弱めてしまう場合もあります。国立成育医療研究センター薬剤部では、子どもの服薬を助けるツールを開発しました。この「服薬補助食品対応表」は、各種小児用薬剤と服薬補助食品の相性を一目で分かるようにまとめたものです。
この表がよく出来ているのは、多くの小児用薬剤をカバーしており、実際の調剤現場で即座に活用できる点です。
1.抗菌薬、抗アレルギー薬、気管支拡張薬など、種類別に薬剤を分類
2.各薬剤の味と香りを明記
3.相性の良い服薬補助食品を提示
4.避けるべき組み合わせも明確に表示
例えば、セフゾン細粒は、そのままでも飲みやすいことを保護者に伝えられますし、タミフルドライシロップは苦みがあるため、フルーツミックス味の食品との組み合わせを提案できます。
カロナール細粒は、甘いがあとから苦みが出るため、適切な服薬補助食品を選択する際の参考になります。薬剤師としては経験則としては理解していたことも多いでしょうが、小児患者の服薬アドヒアランス向上に貢献する有用なツールとして、日々の業務の中で活用することで、より効果的な服薬指導が可能になると期待されます。
また、一緒にプリンやゼリーなどの服薬補助食品も併売しておけば、なお喜ばれるのではないでしょうか?
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