6月21日に「経済財政運営と改革の基本方針2024」(骨太の方針)が公表されました。
骨太の方針とは会社に置き換えると「経営方針発表」に該当するものです。
経営方針には目標がつきもので、この目標は「新経済・財政改革工程表」として例年12月に公表されます。
各省庁ごとに具体的な数字目標が提示され、薬局業界に関係するものは「薬局KPI」(Key Performance Indicator)と呼ばれたりします。
さて、そんな重要度の高い「骨太の方針」ですが、2024年版は例年とことなり社会保障に関する記載が非常に少なったように思います。そんな中で、唯一「調剤」というワードを見つけたのが
「調剤録等の薬局情報のDX・標準化の検討を進める」
という文言です。
ここで示す「調剤録等」というワードですが、どう捉えるのかによって今後の動きが少し見えてきそうです。
行政の検討会などでは、診療報酬を取扱う中央社会保険医療協議会では「薬剤服用歴(薬歴)」という用語が使用されますが、薬機法等の検討をする社会保障審議会や厚生科学審議会では「調剤録」という用語が使用されます。
これは法律上、「薬剤服用歴」という言葉がなく、指導した内容は薬剤師法で「調剤録」に記載しなければいけないとなっているからです。ただし、『薬剤服用歴」に調剤録と同様の事項を記入した場合は調剤録にもって代えることができる』という通知が出ています。(令和2年11月10日 保医発1110第1号)
なにをお伝えしたいのかというと、ここで示す「調剤録等」というのは「薬剤服用歴」のことを指しているのではないかということです。
仮に薬剤服用歴だとした場合、似たような文言を医療DXの取組の中に見ることができます。
それが「電子カルテ等の標準化」です。
来年から始まる「電子カルテ情報共有サービス」の開始に向けて電子カルテの普及と、共有化が進められています。
次なるビジョンは「薬剤服用歴の共有化」という項目が挙がってくるのではないでしょうか?
皆さんは「薬剤服用歴の共有化」に賛成ですか?反対ですか?
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