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薬局DXニュース解説

2024.06.07

ムラ社会の呪縛  ~日本薬剤師会、改革への道険し

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日本薬剤師会の次期会長、岩月進氏による改革の機運は、組織論の壁に阻まれた形となった。飯島裕也氏、徳吉雄三氏両名の理事入りを断念したことは岩月氏にとっては苦渋の決断と言える。


【岩月・次期日薬会長】「県薬との連携は重要」/“非会員”飯島氏の新理事入りへの反対意見に

【日薬次期執行部人事】若手の飯島氏と徳吉氏の登用を断念
岩月氏は「日薬の改革」を掲げ、3月の臨時総会で次期会長に選出された。しかし、新執行部人事案を発表すると長野県薬剤師会の飯島裕也氏(44)と鳥取県薬剤師会の徳吉雄三氏(46)の起用に対して反対する意見が相次いだ。

長野県薬剤師会が飯島氏の理事入りに反対した理由は、飯島氏が会費を未納のため上田薬剤師会から除名されていたためとしたが、飯島氏は会費未納の経緯について「意見の相違から裁判を起こした」と釈明している。県薬会側は制裁としての除名処分が適切だったと判断したものと見られる。

一方の徳吉氏は敷地内薬局を有するとの点で、一部の代議員から反対意見が出ていた。県薬会レベルでの信頼が得られていないことが理事起用への障壁となったと推察される。県薬会の反対理由は明確には報じられていないが、いずれも県薬会との何らかの確執があり、それが日薬の人事に影響を与えたことは確かだろう。

岩月氏は対話を重視するという姿勢で「都道府県薬との連携も重要」と強調、両氏の起用を先送りした。日薬の改革を訴える一方で、県薬会の意向を無視できない体質が改革の足を引っ張った形だ。

日薬の現状を変革するには、県薬会を納得させる必要があるのだろうか。県薬の意向を無視できずにいる日薬の体質そのものが、「ムラ社会」の祟りなのではないか。

理事の承認は6月29、30日の日薬総会で代議員投票を経る。日薬の改革への望みが、この一点に懸かっている。
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