WHOの発表によると、人工甘味料の使用が長期的な減量効果をもたらさないばかりか、糖尿病や心血管疾患のリスクを高める可能性があることが示されています。このガイドラインは、人工甘味料の影響を検証した283件の研究を包括的に分析した結果に基づいています。
This guideline is intended for a wide audience involved in the development, design and implementation of policies and programmes in nutrition and public health. This guideline includes a recommendation on the use of non-sugar sweeteners which can be used by policy-makers and programme managers to address non-sugar sweetener use in their populations through a range of policy actions and public health interventions.
WHOの分析によれば、短期的な実験(3カ月以内)では、人工甘味料が体重やBMIの減少に寄与することが確認されています。しかし、長期的な実験(6〜18カ月)では、これらの効果は持続しないことが示されました。さらに、最大30年間に及ぶ追跡研究の結果、長期的に人工甘味料を摂取することで2型糖尿病の発症リスクが23%増加し、心血管疾患のリスクも32%増加することが判明しました。
特に懸念されるのは、食卓塩のように後から食品に振りかけるタイプの人工甘味料を長期的に摂取した場合、糖尿病の発症リスクが34%増加することです。
これらの分析結果を受けて、WHOは「人工甘味料を体重管理や非感染性疾患(NCDs)の予防のために使用することは推奨しません」との立場を明確にしています。また、WHOの栄養および食品安全性部門のディレクターであるフランチェスコ・ブランカ氏は、「砂糖を人工甘味料に置き換えても長期的には減量に役立ちません」と述べ、砂糖の摂取を減らすためには「果物を食べる」「砂糖も人工甘味料も含まない食品を選ぶ」といった方法を推奨しています。
人工甘味料は必須の栄養素ではなく、健康を促進するためには食事に含まれる甘味全体を減らすことが重要です。この新たなガイドラインは、健康的な食生活を促進するための一環として、人工甘味料の使用を見直すきっかけとなるでしょう。