薬局間連携より“現実的”な「訪看ST配置薬拡大」を~規制改革WG、特に医療過疎地で早期実現要望
PNBの記事より
規制改革推進会議「健康・医療・介護ワーキンググループ」は、在宅医療における薬剤提供の課題についての議論の中で、連携体制の構築も大切だが、「より現実的で実効性がある」訪問看護ステーション(訪看ST)の配置薬拡大の早期実現を求める声が相次いだという記事だ。
この会議に参考人として参加した岩手県住田町の町長は、診療所、訪看ST、薬局が1軒ずつしかない同町では、実際に在宅患者への薬剤提供が適時に行えなかった事例を紹介した上で、全国一律での規制緩和が難しいのであれば、いくつかの地域で実証事業を先行し、地域要件などを検討してはどうかと提案したということだが、この提案に対しては薬剤師会側としても何らかのレスポンスがあってもよいのではないかと思った。
ただ、委員の中から薬局間連携で地域全体の医薬品供給をカバーする体制は「幻想」だという、経験値に基づいた厳しい意見が出されたことに対し、反論ということではなく現実を真摯に受け止めつつも、この意見に呼応して、薬剤師会としても現実的で実効性のある方策の提言を急がねばならないと思う。
厚労省も、まずは地域薬剤師会を中心に輪番などの体制を構築し、それでも難しい場合の対応については今後検討と述べているが、当面の現実的な対応策としては、会議の中でも示されたように、緊急時には訪看STから薬が届けられるような地域要件を考えるというのも一案かもしれない。
ただしこれはあくまで現状における連携体制構築中の臨時的対応という位置付とし、「軒を貸して母屋を取られる」ことがないように、薬が必要なところには必ず薬剤師がいるという大前提を決して崩すものにしてはならないことを肝に銘じなければならない。
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