近年、乳幼児やアトピー性皮膚炎の患者に処方される保湿塗り薬「ヒルドイド」が本来の目的とは異なる美容目的で大量に処方されるケースが問題視されてきました。健康保険組合連合会からは「医療費の無駄遣い」との批判も出ていました。
保湿塗り薬、10月に負担増=美容目的の不適切利用、是正も―厚労省
厚生労働省は特許切れ先発薬の窓口負担を引き上げる制度改正の対象にヒルドイドを含めると発表、表向きは同成分のジェネリック薬が多く出ているためとしてますが、不適切な利用を是正する狙いもありそうです。
具体的には、ヒルドイド300gを処方された3割負担の患者は、これまでより774円多い2,439円を窓口で支払うことになります。子ども医療費助成制度がある自治体であっても、例えば保護者が使用することを目的とした処方の場合は保険適用外となり原則負担が生じます。
このように、医療保険制度を利用目的から逸脱して不適切に利用すれば、結果として患者自身にもツケが返ってくるのです。国民皆保険を持続可能な制度とするため、本来の目的外利用の是正は避けられません。一人一人が制度を正しく利用する意識を持つことが何より重要です。
comments