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薬局DXニュース解説

2024.04.01

2024年度予算案成立 社会保障関係費が過去最高の37.72兆円計上

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政府の2024年度予算案が、今国会で可決・成立しました。今回の予算で注目すべきは、社会保障関係費が過去最高の37.72兆円と計上されたことです。

新年度予算が成立 参院本会議で採決 自公両党など賛成多数
少子高齢化の急速な進行に伴い、年金、医療、介護といった社会保障給付費は自然増の傾向にあります。2024年度予算における社会保障関係費は、全体の約3分の1を占める最大の費用項目となっています。

その中でも、医療分野への重点的な予算配分が見られます。団塊の世代が後期高齢者となる2025年以降の医療需要の急増に備え、病院運営支援や地域医療体制の充実など、将来を見据えた対策が講じられています。

さらに、出生率の持続的低下に歯止めをかけるための少子化対策にも注力しています。企業の育児休業制度への支援や、結婚・出産・子育ての各ステージでの経済的支援の拡充が計画されています。

このように、2024年度政府予算では、社会保障関係費が最重点項目とされ、超高齢化への備えと少子化対策が大きな柱となっていることが分かります。

予算は青天井ではない

国民生活に直結する社会保障関係費ですが、青天井にはできません。最大の費用項目となる中で、政府としても、財政健全化の観点から、医療・介護分野においても、一定の費用抑制策を講じざるを得ないでしょう。その影響として、以下のようなことが考えられます。

薬価改定における影響
・薬剤費の抑制圧力は一層高まるでしょう。
・革新的な新薬については最小限の評価にとどめ、後発医薬品の使用促進が図られる可能性があります。
・付加価値の低い医薬品については、さらなる薬価の引き下げが想定されます。

診療報酬改定における影響
・増大する医療ニーズに対し、報酬のさらなる抑制が避けられないと思われます。
・人件費など、医療機関の固定経費に見合う報酬額の確保が課題となります。
・一方で、外来受診の抑制や重症化予防など、効率的な医療提供体制への誘導策が打ち出される可能性があります。

このように、持続可能な社会保障制度を維持するために、医療分野においても、更なるコスト抑制が避けられない状況です。しかし、国民の健康で安心な生活を守るために、医療・介護サービスの質を下げることなく、賢明な予算執行が求められます。
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