創価大カミナのドーピング違反で出雲駅伝のチーム全選手の個人記録が失効に…ケニア帰国中の市販薬服用が原因、箱根駅伝は出場なし
創価大学は2024年02月15日、同大学所属のケニア人留学生選手がアンチ・ドーピング規則に違反したことを公表。検体から禁止物質である「ナンドロロン」を検出していたことを発表した。
同選手はケニア帰国時に倦怠感を覚え、友人に薬局で薬を依頼。手渡された薬を10日間にわたって服用したという。経口摂取した薬は裸錠の状態で友人から渡されたようで、同選手は成分などを吟味することなく服用したと大学に報告した。また服用した薬はデカボリンのようだと同大は公表した。
デカボリンは、筋肉増強効果を持つ合成ステロイドの一種である。化学的にはナンドロロンという物質であり、テストステロンに似た構造を持つ。デカボリンは、筋肉のタンパク質合成を促進し、筋肥大や筋力増強を促す効果がある。しかし、同時に副作用も多く、肝臓への負担、心臓への負担、性機能障害、発疹、ニキビなどの症状が現れる可能性がある。
今回の件を受け、創価大学は当該選手に対して厳正な処分を行うとしている。また、日本でのアンチ・ドーピング機関であるJADAは3年間の出場停止処分を発表した。今後は大学全体でアンチ・ドーピング教育を徹底し、再発防止に努めるとしている。
今回の件は、スポーツ界全体にとって大きな問題である。世界的にはアンチ・ドーピング問題は従来のドーピング検査に対する選手の心構えだけでなく、アスリートにスポーツの価値を教えることにより、 ドーピングに反対する姿勢を強く啓蒙する価値教育と、ドーピングのリスクなどを教育する方針に代わりつつある。日本ではスポーツファーマシストという薬剤師を中心とした団体があり、こうしたドーピング検査で禁止物質とされている成分を含有する医薬品、サプリメントなどの注意喚起などを行っている。アマチュアスポーツで大げさな・・と思うかもしれないが、将来のオリンピック選手の卵かもしれない有望な選手の将来を閉ざさないように各スポーツ団体は、アンチ・ドーピング体制の強化を図り、ドーピング問題の根絶に取り組む必要がある。
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