こちらは12月1日に開催された中央社会保険医療協議会「長期収載品その2」の資料です。
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001173588.pdf
「財源がない」ということは、薬局に関わる方であれば誰しもが知っていることです。
その中で次回改定に向けた厳しい議論が進められています。
改定内容は当然ですが、当面の注目は予算である「改定率」が本体(技術料)「プラス」となるのか「マイナス」となるのかです。
そんな中で、今回改定の議論で少し気になる情報があります。
それが「選定療養制度」の導入です。
日本の保健医療では「保険」と「自費」の混合診療を一部を除き、禁止しています。
混合診療が認められている例として
・差額ベット代
・高度先進医療
・紹介状の無い患者が大病院を受診する際の費用 (再診も同様)
などです。混合診療では負担割合+自費が発生します。
今回の改定に向けた議論では、外来医療における「医薬費代金」にこの選定療養制度を導入しようとしています。
詳しくは資料をご覧いただきたいのですが、
【従来】
医薬品(先発品・後発品問わず)の1~3割
【議論の内容】(条件に該当した先発品の場合】
後発医薬品薬価に対する1~3割+先発品と後発品との薬価の差
となります。
このような仕組みは「ドイツ」で既に導入されており、
「参照価格制度」と呼ばれています。
参照価格制度導入に向けた議論は古く、ぱっと調べただけでも平成10年(1998年)の記事も見つけることができます。
国立社会保障・人口問題研究所
日本医師会「なぜ参照価格制度に医師会は反対をするのか」
https://www.ipss.go.jp/publication/j/shiryou/no.13/data/shiryou/iryou/292.pdf
このような”隠語”を使った議論の進め方は、ついこのあいだの改定でも見受けられた出来事です。
『リフィル処方箋=再使用可能処方箋』
今回の議論では、すでに社会保障審議会医療部会等で議論が進められていることもあり、「導入前提」で話が進められています。
参照価格制度が導入されると医療費にどういった影響を与えるのでしょうか、そして「薬局」にはどういった影響が出てくるのでしょうか。
調剤報酬改定を点でとらえるのではなく、散りばめられている情報を結び付けて考えていくことが必要になってきます。
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