特区で調剤外部委託、コンソーシアムの概要公表
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/di/trend/202306/579858.html
【調剤外部委託コンソーシアム】ウエルシア薬局も参画/22社の参画企業決定
https://www.dgs-on-line.com/articles/2142
【調剤外部委託】コンソーシアム、大阪市内に限定して特区申請を再提出へ/6月下旬に再提案見込む
https://www.dgs-on-line.com/articles/2151
日経DI online さんと、ドラビズon-line さんの記事からです。
動くからこそ、徐々に良い方向への道筋が見え始める。
これが薬局DX推進コンソーシアム設立総会(以下、総会)へ、実際に参加してきた者としての初期レベルの感想だ(因みに私は準会員企業の立場での参加)。
初めに断っておくが、私個人は外部委託に対して無条件な賛成派でもないし、逆に全面的な反対派でもない。あくまで、医療上や運営上の安全を担保する一定の条件下で、ある種の患者層には今まで以上の薬剤師バリューが提供されるだろう論者である。
その意味で、「部分賛成派」とか「条件付き賛成派」と呼ぶべきなのかも知れないが、実際、現実社会は白黒はっきり割り切れないものだろうと思う。となると次なる関心は、「どこまで」行うべきか?「どの部分」を行うべきか?に自ずとなってくるわけで、そこは今回の総会に参加表明した22社の会員企業間で、しっかり協議すべきことだろう。
当初はファルメディコ社単独であった特区申請が、結果的に薬局の規模や立場に関する多様性を得たコンソーシアムになったことは、非常に良かったのではないかと評価している。広域大手チェーン・関西中規模チェーン・ドミナント薬局・個店薬局といったバランスに狭間研至氏が事前に腐心されていたことは印象深いし、個人的にも支持したい。
これで、日本の薬局生態系を凝縮したコンソーシアムになった。
一方、単独で特区申請していた内容と異なり、県境跨ぎが無くなり三次医療圏内に留まるどころか、大阪市内でのスタートを想定したことは、ある意味「スケールダウン」を印象付けた可能性もある。ただ、これも「早く」特区申請で「動いた」からこそ、地元行政との折衝で気付かされた本質論から距離のある事項だとも言える。要は証明したい事項の優先順位の問題だと考えれば、現実的であり納得感もある。県境を跨ぐことへの制限に意味があるのかという論点は後回しだということだろう。それに加えて、厚労科研の入江班で策定中の外部委託に関するガイドラインに準拠するとした点も現実的な選択だ。
これからコンソーシアム内で協議していくなかで、薬局生態系と私が呼んだ参加者各位が色々な議論を行い、異なる意見が対立する場面も出てくるかも知れない。とはいえ、それで良いのだと思うし、感情論を排した様々な意見が出そうな雰囲気が総会にはあった。そもそも1から10まで同じ意見だったら気持ち悪いし、参加する意味もない。
総会に限らず、ここまで見聞きしてきたこと全部を総覧して感じるのは、本コンソーシアムのDNAは、結構「しなやか」なのではないか、ということだ。
また機会があれば、秘密保持の義務を負わないレベルで触れてみたい。
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