加藤厚生労働相は19日の衆院厚生労働委員会で、調剤業務の一部外部委託について、
「外部委託により中小薬局でも高価な機器を導入することなく、高機能な調剤機器を効果的に運用できるというメリットもある」と答弁したが、そもそも外部委託が認められることを待ち望んでいるのは町の中小薬局なのだろうか?
具体的な手順を考えてみると、別法人薬局への外部委託のケースでは、委託側、受託側ともその受発注において大変非効率な手間と、その過程の安全管理業務の大変さ、そしてその労務にフィーは見合うのだろうかといった疑問が頭をよぎるのではないだろうか。
では誰がメリットを享受するのかというと、それは同一法人内のインハウスでの調剤委託である。同一法人内の薬局同士で調剤委託業務が可能になれば、それは合理的であり効率的でコストダウンにも繋がることだろう。
仮に外部委託に加えて経団連が同時に要求している40枚規制と合体したら、一人薬剤師で何枚でも処方箋受付可となり、調剤は同一法人の調剤センターでの処理が可能になる。調剤併設ドラッグストアは歓迎することだろう。それは国が期待する対人業務の充実とは逆行するだけでなく、委託元店舗の薬局機能の弱体化につながることが十分予想される。
「身体が不自由な人、車いすを利用する人、高齢者には、いったん公道に出て入り直すのは不便」という理由でフェンスの撤廃が認められた結果、病院内敷地内薬局が解禁となり現状に至ってしまったことの二の舞にならないように、この議論は慎重に見ておく必要がある。
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