ChatGPTを始めとする大規模な言語モデル (LLM) は、医療の世界でも確実に有用な技術となってきており、すでに医師国家試験で合格レベルに達するなど、知識を問う面では人間を一部凌駕しつつある。
そんな臨床医によって作成および維持される臨床知識データベースと組み合わせて、DDx およびクリニカルパスの作成支援を行うAIシステムが開発されました。
Glass AI 2.0での鑑別例
推奨される検査なども列挙され、参考とした文献や論文なども示される。
Glass AIには1.0と2.0があり、いずれも大規模言語モデル (LLM) と臨床知識を使用しているが、違いは、その臨床知識のデータをどのように構築しているかという点とされている。
Glass AI 2.0では、全米の臨床医 (Glass Health Clinical Contributors) が作成・維持しているデータベースを利用している。一方、Glass AI 1.0で使用されている臨床知識は、一般に公開されているインターネットから取得したものとのこと。したがって2.0はサポートする疾患領域は若干狭い。逆に1.0は幅広い領域をカバーしているようだ。
ただ同社はまだβ版としており、臨床医の評価を待っているとのこと。また、Glass AIは、効果的で適切な診断上の問題表現、鑑別診断、臨床計画を作成するための訓練を受けた臨床医および訓練中の臨床医が使用するための開発中のツールとしており、一般生活者の医療相談ツールではなく、臨床医向けのツールと位置づけており、使ってみた感想としては、ChatGPTより専門的で一歩踏み込んだ回答になっているように思える。
今後の発展に期待したい。
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