CureAppのNASH治療用アプリ、東大病院での探索的臨床試験で効果確認
CureAppの次の有力なパイプラインであるNASH(非アルコール性肝脂肪炎)の治療用アプリの、初めての臨床試験の結果が発表された。
東京大学医学部附属病院の研究グループは、組織学的にNASHと診断された患者19人を対象に、治療用アプリを用いた48週間の介入を行った。
結果、平均8.3%の体重減少が達成され(NASH診療ガイドラインでは体重の7%の減量を推奨)、肝組織の脂肪化や炎症、風船様変性からなるNASスコアが試験開始時に比べて有意な改善を示したと報告している。
今回は19名という少数の症例であったため、今後、第三相試験の結果が待たれる。
ただ、今回の臨床試験では、規制当局のサロゲートエンドポイントである有意な体重減少は認められたが、繊維化ステージF1の患者ではステージの低下が認められなかったとしている。
その理由として、48週間という短い試験期間では、減量に伴う組織学的改善が得られなかったと可能性があると論文の中では考察されている。
生活習慣病の治療や予防において治療用アプリといった新しいアプローチは歓迎すべきことである。しかし、今回の臨床試験の論文を読んで、生活習慣病の治療用アプリを開発するうえで、長期間の試験を行うことが大きな課題になりそうである。
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