年々複雑かする調剤報酬改定。その対応は一筋縄ではいかず、どれだけ読み込んだのか、議論したのかが求められます。私のように報酬改定を専門に扱うコンサルタントでも、解釈の誤りはあり、かつ常に新しい気づきはあるものです。連日連夜、資料を読み込み議論をする。それでもコンプリートはできないものです。
経過措置「後発医薬品調剤体制加算1~3を届け出る薬局は・・・」
後発医薬品調剤体制加算と地域支援体制加算が統合し「地域支援・医薬品供給対応体制加算」が新設されます。加算1は医薬品安定供給に対する加算であり、加算2~5は従来の地域支援体制加算という2階建て。ただし加算2~5を算定するには加算1の要件を満たしていることが求められます。
加算1には経過措置が設けられており、「令和8年3月31日時点で後発医薬品調剤体制加算1、2又は3を届け出ている薬局においては令和9年5月31日まで後発医薬品調剤率85を満たしているものとする」が付いています。
この要件を見たときに、「なぜ後発医薬品調剤体制加算1だけでなく、加算2・3も該当するのか」と疑問に思った方はいるでしょうか。この視点を持った方は、素晴らしい着眼点を持っているといえます。
最低薬価の引き上げで、後発品調剤率が荒れる
なぜ加算1(80%)だけでなく、加算2(85%)・加算3(90%)の薬局まで対象としているのか。その答えが「薬価改定」です。診療報酬の開始は6月1日ですが、薬価改定は4月1日に行われます。主に薬価は引き下げとなりますが、例外的に基礎的医薬品等については、最低薬価が引き上げとなります。
それにより、「先発医薬品と同等もしくは後発医薬品の方が薬価が高い」という品目が生じ、後発医薬品調剤率の計算に影響を与えます。
どんな品目が除外されるのか皆さんは把握していますか?それらが後発医薬品調剤率にどう影響を与えるのかイメージできていますか?
幸い、3月時点で後発医薬品調剤体制加算を届け出ている薬局は新報酬初年度においては、いかなる調剤率であれ「85%超」が保証されています。とはいえ、1年後に来る「新後発医薬品調剤率」。この対応ができなくては加算1どころか2階部分の「地域支援」の点数まで喪失することになります。
知らないと損する調剤報酬。すでに2年後に向けた戦いは始まっています。
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