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薬局DXニュース解説

2025.09.05

OTC類似薬の保険外しでも処方箋は必要?

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「OTC類似薬の保険給付の在り方の見直し」は2026年度から実行する。
このように骨太の方針では記載され、これから議論が進められようとしています。

そもそもOTC類似薬は医療用医薬品における「処方箋以外の医薬品」を指していますが、その全体を指すのか、セルフメディケーション税制の対象となる薬効群を指すのか詳細ははっきりとしていません。
2026年度中の制度開始を予定してはいますが、検討すべき項目は非常に多くあるように思います。

そんななか、9月2日に放送された「羽鳥慎一モーニングショー」の特集でOTC類似薬の保険給付見直しが取り上げられ、東京大学大学院五十嵐中特任准教授による解説が行われました。
Xの投稿:https://x.com/morningshow_tv/status/1962761998892228910

まず前提として、「OTC類似薬の保険給付見直し」に関する公の議論はまだ行わていないので、放送された内容は「私見」という認識です。「保険給付外し」と題づけていますが、正しくは「保険給付見直し」であり、保険外しは方向性の一つとなります。

内容を見ると、患者は医療機関への受診が必要であり、薬局でOTC医薬品を購入するための「準処方箋」が発行され、準処方箋に基づきOTC医薬品を購入するという流れです。

「準処方箋」というものが現時点で法律にないため、この画像で示すとおりになるかというと疑問は浮かびますが、似たような仕組みは確かに方向性の一つとして考えれます。

それは選定療養制度との組み合わせです。「OTC類似薬に該当する医療用医薬品」を選定療養の対象とし、保険給付率を〇%と定めれば、従来の治療・調剤の流れを変えることなく、薬剤料を引き下げることができます。
ただこの場合、OTC医薬品を購入するのではなく、対象となる「処方箋以外の医療用医薬品」の購入となります。

OTC医薬品の購入とする場合、ほかに処方される医薬品がある場合には保険と自費の「混合診療」に該当することも懸念されます。

そもそもOTC医薬品は薬剤師の指導の下で購入ができる医薬品と位置付けられている医薬印です。そこに医師の処方を結びつけるとなると、OTC医薬品販売のあり方に逆行するようにも思います。

どのような制度になるのかはこれからの議論次第ですが、制度や利権が絡む問題ですので一筋縄ではいかないのでは?と考えています。
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