こちらの記事はGem Medに掲載されています。
https://gemmed.ghc-j.com/?p=52072
オンライン資格確認、電子処方箋など医療DXの推進には国民の理解が不可欠、十分かつ丁寧な広報に力をいれよ-社保審・医療保険部会
いよいよ1月26日に電子処方箋が始まります。医療機関・薬局、医師・薬剤師の準備、レセコン等のシステムインフラの整備と課題を多く抱えながらのスタートですが、これまで議論を見てきて「止まらない・止められない」ということは皆さんも十分に気が付いているのではないでしょうか。
準備が十分ではないことが明らかな中、強行で進める姿から「切羽詰まった状態」にあるということが理解できます。
1月18日に行われた社会保障審議会では電子処方箋の開始に伴い様々な意見が出ましたが、医療DXの推進に対する反対意見は出ていません。保険医療を担うTOP達は腹を決めたといます。
さて、その中で出てきた一つの意見として
電子処方箋について「退院時処方などの院内処方情報は対象外である」「電子処方箋未導入医療機関・薬局の情報が抜ける」などの問題点がある
という意見がありました。院内投薬の情報などは「薬剤情報の共有」(レセプトベース)または退院時共同指導への参加で最低限カバーできますが、「未導入施設による処方・調剤の情報の欠如」は今後大きな論点となりそうです。
「お薬手帳の活用を」という声が聞こえてきそうですが、残念ながらお薬手帳も情報をカバーしているとは言い難いです。
これらの問題の解決は、医療DXの完成形である「保険医療機関・保険薬局の全てでの導入」しかありません。何事においてもダブルスタンダード程、非効率的なものはありません。オンライン資格確認の原則義務化の次に何が起こるのか注目です。
また、患者への周知が今後重要になります。「マイナンバーを利用しない」から「利用してもらう」への行動変容は国は当然なら、保険薬局のミッションの一つとも言えます。
マイナンバーカードと保険証とのリンクはオンライン資格確認端末を設置している薬局でも行うことが可能です。調剤報酬の算定は大事なことですが、『保険』薬局・薬剤師の責務は何なのか。
このような国の制度を、専門家として患者に対し広報していく立場でもあるのではないでしょうか。
comments