こちらはヨミドクターの記事です。
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20240203-OYT1T50166/
電子処方箋進まず、開始1年で導入6%
オンライン資格確認システムの導入義務化から1年が経とうとしています。次の段階として「電子処方箋システム」の導入が挙げられます。しかし現状として、導入施設は全体の6%となっており、普及しているとは言い難い状態です。
なぜ普及しないのか、その理由を3つ挙げてみたいと思います。
①導入コストが高すぎる
約1万2千軒の施設で導入されていると言われていますが、その内訳を厚労省HPで確認すると、
医科 ・・・ 897軒
(病院・診療所)
歯科 ・・・ 47軒
薬局 ・・・ 11,547軒
(
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/denshishohousen_taioushisetsu.html)
となっており、ほぼ薬局での導入件数となっています。
導入が進まない要因として記事の中では大病院では約600万の導入コストが挙げられいますが、先日私がお会いした大病院の事務長がいうには、カルテシステムの改修などを含めると「数千万」にも負担が膨れ上げるようです。
導入に対する補助金はその一部にしかならないので、この負担差を埋めなくては病院での導入は進みません。
これが第一の理由です。
②有償バージョンアップで負担増、やれることにバラツキ
在宅対応や公費患者対応などのバージョンアップが現在進められています。そのバージョンアップは無償かと思いきや、有償だというのだから驚きです。補助金の設定がされていますが、その対応の有無に関しては現在導入施設の任意にとなっています。
これでは「出来るコト」「出来ないコト」が施設によってばらつきが出来てしまい、ちぐはぐなDXになると言わざるを得ません。また、HPKIからマイナンバーを活用した電子証明など、後だし政策に現場の不満も募るばかりです。
③国のビジョンに対する関係者への周知が出来ていない
記事の中には、とある医師は「お薬手帳で確認しておりメリット感じない」という言葉が紹介されています。
医療DXにより実現したい未来は、「お薬手帳」ではカバーできなかったアナログ管理からデジタル管理ではないでしょうか。手帳の有無、掲示の自由など課題があったからデータ管理に変えるのだと思います。
そうすることにより、過度な受診・投薬の抑制や重複投薬等の回避などに繋がります。
他にも多くの課題が見えてきた医療DXですが、多くの財源が投資され後戻りが出来ない状態にあります。
このまま不完全な状態で進めていき、失策でおわるのか、一度プランを再構築し軌道修正するのか。
いま大きな分岐点に来ていると感じます。
comments