米国における企業内診療所の再評価
企業内診療所は、従業員の健康管理と企業の生産性向上に寄与する重要な資産として、再び注目を集めています。米国の
職業環境医学会(ACOEM)が発表した2023年のガイダンスでは、以下のような具体的なデータと事例が示されています。
施設内・施設近隣診療所の増加
2020年時点で、従業員数5000人以上の米国企業のうち、プライマリ・ケアを提供する施設内または施設近隣診療所を持つ割合は31%に増加しています。このような診療所は、従業員の利便性を向上させるだけでなく、欠勤率の低下や生産性向上にも寄与しています。
投資収益率(ROI)の実績
診療所を設置した企業は、1.5:1以上の投資収益率を報告しており、経済的にも効果的であることが示されています。こうした診療所は、従業員からの満足度も高く、雇用主にとってもポジティブな評価を受けています。
健康戦略との統合
診療所は単なる医療提供の場にとどまらず、企業全体の健康保護と健康増進の戦略的目標を支える戦術的な役割を果たしています。産業医や健康管理部門と連携し、効率的な従業員ケアを実現するための中心的な存在として位置づけられています。
これらのデータは、企業内診療所が従業員の健康維持だけでなく、企業の持続可能な成長にとっても重要な役割を果たしていることを裏付けています。日本国内でも、同様のアプローチが導入される可能性が注目されます。
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