オンライン診療は新興感染症の影響もあり、急速に制度の整備が進められています。6月まで開催されていた国会でも医療法の改正があり「オンライン診療受診施設」が新たに創設されます。オンライン診療・服薬指導については「一気通貫なオンライン医療」ということで規制改革推進会議でも取り上げられ、普及したい意向が見受けられます。
とは言え、オンライン診療が普及しているかというと、そうではないのが印象です。
今回、中医協で紹介されたいくつかのデータをご紹介します。
オンライン診療を利用した初診料等の算定は令和5年4月以降増加傾向としていますが、回数だけ見るとそのように感じるかもしれませんが、全体の初・再診料等からすると「0.063%」であり、普及しているとは言い難い状況です。
つぎの資料は、情報通信機器を用いた初・再診料の年齢分布の資料です。
対面診療に比べ、若年層が多いことが挙げられます。特に初診に関しては「0~9歳」が最も多く約25%を占めています。
最後にご紹介するのが、都道府県・二次医療圏別の「患者住所地」に基づく算定回数です。首都圏での利用が圧倒的に多く、ついで東北エリアで比較的高いことが目につきます。
オンライン診療からのオンライン服薬指導では医薬品は原則郵送となり薬局は居住地に近いことが要件とはなりませんが、自エリアでの患者需要がどうなっているのかを把握することは、今後を考えていく上で重要となります。
そのほかにもお伝えしたいことは多くありますが、調剤報酬だけでなく診療報酬(特に外来)も大きな見直しの時期に来ています。特に診療所の科目によっては大きな適正化対象となる分野もあるので、幅広い情報から考えていく必要があります。
comments