日本医師会のシンクタンクである日本医師会総合政策研究機構(通称:日医総研)が「匿名医療保険等関連情報データベース(NDB)とNDB オープンデータを用いたオンライン診療等の現状分析」を公表しました。
【ワーキングペーパー】
https://www.jmari.med.or.jp/result/working/post-4758/
約100Pというかなりのボリュームですが、オンライン服薬指導等を考える薬局は流し読みでもいいので見ておくとよいのではないでしょうか。各報酬の算定状況は社会保険診療行為別統計や匿名医療保険等関連情報データベース(通称NDBデータ)で確認することができますが、慣れていないと何をどう見ていいのかわからず、分析に莫大な時間が掛かります。
今回のワーキングペーパーで用いられているデータは2021・2022年とコロナ禍による「0410特例」もあったため、アフターコロナと少し状況が違う点は留意しなくてはいけません。
ざっくりと「まとめ」の部分だけ要約すると
・オンライン診療料の算定状況割合は「15~65歳未満(61.4%)」が最も多く、「65歳以上」が31.8%を占めた。
・10万人当たり算定件数を見ると「85歳以上」(12.96件)が最も多く、「0~15歳未満」(3.41件)と最も少ない。
・都道府県別10万人当たり算定件数を見ると「石川県」「福井県」(栃木県「「高知県」の順に多かった。
・算定件数の計年推移は2018年と比べ2021年度は7.32倍。特に2019年から2020年にかけて大きく増加。
・年齢階級別にみると「0~15歳未満」「85歳以上」が大きく増加
・オンライン診療料対象管理料は「特定疾患療養管理料」「難病外来指導管理料」以外の算定は極めて少ない。
・特定疾患療養管理料算定患者を10万人当たり算定件数を二次医療圏別でみると大都市型が最も多かった。
などとなります。オンライン診療の普及に関しては、「検査料」「管理料」の算定が限定的など報酬面の課題、外来が患者が戻ってきたということもあり、伸び悩みというのが現状ではないでしょうか。報酬算定等のルールに縛られない自費領域での運用がメインのように感じます。
オンラインの活用を進めたい規制改革側ですが、次回報酬改定でどう変わっていくのかには注目です。
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