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薬局DXニュース解説

2024.07.29

薬局の調剤業務一部外部委託、7月から大阪市で実証開始!政府の真の狙いを推察する

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2024年7月1日から、大阪市全域で薬局の調剤業務の一部を外部委託できる実証事業が始まります。この取り組みは、国家戦略特区の枠組みを活用したもので、薬剤師の業務効率化と対人業務の充実を目指しています。

外部委託の対象は一包化業務

今回の実証事業で外部委託が認められるのは、調剤業務のうち一包化(1回分ずつの薬剤包装)に限定されます。ただし、散剤の一包化は対象外です。委託先の薬局は、同一の三次医療圏内に限られます。

安全性確保と患者同意が前提
外部委託を行う際は、以下の点に注意が必要です。
1.患者への説明と同意取得が必須
3.医療安全を最優先に考慮
4.手順書の作成と遵守
5.都道府県知事等による確認と定期的な報告

薬剤師の専門性発揮と地域医療への貢献

この取り組みにより、政府は次のような効果を薬剤師に期待しているのがわかります。ただこれらは以前より示されてきたことであり決して真新しいことではありません。

1.薬剤師の対人業務の充実
・服薬指導の強化
・残薬管理の徹底
・ポリファーマシー対策の推進

2.地域包括ケアシステムへの貢献
・在宅医療サービスの拡充
・多職種連携の促進

3.セルフメディケーション支援の向上

政府の本当の狙いと今後の展開

薬剤師の業務効率化と対人業務の充実は長年議論されてきたテーマです。今回、あえて大阪という都市部の国家戦略特区を用いた実証実験を行う背景には、より深い狙いがあると考えられます。以下に、その可能性について筆者なりに推察してみます。

規制緩和の試金石
この実証実験は、医薬品業界における規制緩和の第一歩として位置づけられる可能性があります。成功すれば、より広範囲な規制緩和への足がかりとなる可能性があります。これは今回の実証の延長線上には当然想定しうる未来でしょう。

大規模チェーン薬局の競争力強化
一包化業務の外部委託は、特に大規模チェーン薬局にとって有利に働く可能性があります。自社内で効率的な一包化センターを設立し、複数の薬局をカバーすることで、コスト削減と競争力強化につながる可能性があります。また先日開始されたAmazonファーマシーと組み合わせることで調剤から物流までワンストップで提供できる体制が整う点についても注目です。

薬局業界の再編促進
効率化と規模の経済を追求する動きが加速することで、中小の薬局の淘汰や大手チェーンによる買収が進む可能性があります。これは業界の再編を促進する効果があるかもしれません。

遠隔医療・オンライン診療との連携
将来的に、オンライン診療と組み合わせることで、完全リモートの医療サービス提供体制の構築を視野に入れている可能性があります。今回の実証で筆者がおそらく真の目的と考えるのはオンライン診療とのシームレスな連携です。

AI・自動化技術の導入準備
一包化業務の外部委託は、将来的にAIやロボット薬局など自動化技術を導入するための準備段階である可能性があります。人手を介さない調剤システムの構築に向けた布石かもしれません。

データ収集と分析
集中化された一包化業務を通じて、処方データや服薬情報を大規模に収集・分析できる環境を整備する狙いがあるかもしれません。これは医療政策立案や製薬企業の研究開発に活用される可能性があります。

医療費削減の模索
効率化による調剤コストの削減や、集中管理による薬剤の無駄の削減などを通じて、長期的な医療費抑制の方策を探る意図があるかもしれません。

これらの推察は、現時点での情報に基づく筆者の私見です。実証実験の真の狙いは、その進展と結果を見守る中で徐々に明らかになっていくものと考えられます。様々な利害関係者の動向を注視しつつ、この取り組みが医療サービスの質と効率性にどのような影響を与えるか、慎重に評価していく必要があるでしょう。
この取り組みが、薬剤師の業務効率化と患者サービスの向上にどのようにつながるか、今後の動向に注目が集まります。
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