「チェック拡充」「薬局起点情報共有」検討
電子処方箋、厚労省が25年度以降の開発案を提示
PNBの記事より
厚生労働省は「電子処方箋等検討ワーキンググループ」で、2025年度以降に開発する電子処方箋システムの新機能の案として、▽併用注意のアラートなどチェック機能の拡充、▽トレーシングレポートをはじめとした薬局起点の情報の共有・標準化、▽処方箋事前送付の合理化、▽感染症流行状況や医薬品流通状況把握など電子処方箋データのさらなる利活用、の4項目を示したという記事だ。
この中では処方箋事前送付の合理化が注目されているようだが、今後「薬局起点の情報の共有・標準化」というのが薬局業務のキーになっていくワードなのではないかと思う。
今回のWGでは、現在ファクスや郵便で送られているトレーシングレポートなどを、電子処方箋システムで情報共有する仕組みを想定していて、日薬からも「薬局起点の情報」の例として、病院には、患者のレジメンの副作用などを踏まえた奏効性の判断に活用してもらうための化学療法に関する情報や入院予定患者の情報を、診療所には吸入薬指導や糖尿病患者へのフォローアップなどの情報を、他の薬局にはかかりつけの患者に関する情報の共有が示された。
これらの情報が電子的に共有・活用できるようになるのは良いことだが、この機会に「薬局起点情報共有」を現在構想されている、薬局で収集された情報の共有から、薬局ならではの情報を集約、そして解析、発信と能動的に捉えて動き出すという考え方も入れ込んで欲しいものだ。薬局独自の情報発信があってこその社会的存在意義の証明、評価という見方もあるからだ。
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