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薬局DXニュース解説

2024.03.26

ICT活用でワークライフバランス改善 医療用チャットが情報共有を変革

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近年、医療現場においてもICTの活用が進んでおり、チャットサービスを導入する病院が増えてきている。愛媛県四国中央市のHITO病院は全職員にスマホを配布し、チャットで情報共有を行うなどICTを積極的に活用している。

スマホでカルテ、チャットで情報共有…「診療以外の時間が大幅に削減できた」病院に医師集まる

医療用チャット導入で医療現場の情報共有が革命的に改善

1. 情報共有の効率化・スピードアップ
チャットを用いることで、医師・看護師・薬剤師など多職種間での情報共有がリアルタイムでスムーズに行える。患者の状況変化にも素早く対応でき、的確な診療を提供することができる。従来の口頭での引き継ぎに比べ、ミスコミュニケーションのリスクも低減できる。

2. 業務効率化による時間外労働削減
チャットにより診療以外の付随業務が削減され、医師の時間外労働削減につながる。HITO病院の脳神経外科部長は「診療以外の時間が大幅に削減できた」と語っている。ワークライフバランスの改善が見込める。

3. 遠隔地でも情報共有が可能
チャットを活用すれば、医師が病棟や診察室にいなくても情報を共有・指示を出すことができる。移動時間の削減やタイムリーな指示が可能になり、業務の効率化が期待できる。

4. 記録の保存・共有
チャットのやり取りは記録として残るため、後から確認や共有ができる。業務の継続性や情報の追跡性が担保される。

5. 学習コストが低い
現在は日常的にチャットサービスを利用している人も多く、使い方などを学習するための時間がほぼ不要であり、ITリテラシーが低くても利用できるため導入時のコストが低い。

医療の質の向上とワークライフバランスの両立のため、ICTの積極的な活用が求められている。チャットサービスの導入は、その一つの有力な手段となりうる。

薬局でのチャットサービス導入が情報共有を変革

また、薬局においてもチャットサービスの導入が広がりをみせている。特に多くの店舗を持つ薬局グループの場合、電話やFAXでの連絡に比べ、チャットは情報共有の効率化が図れるなど、多くの場合メリットが期待できる。

リアルタイムの情報共有で適切な服薬指導に
例えば、薬局と、かかりつけ医や病院、介護施設とのチャット連携により、患者の最新の服薬情報や健康状態をリアルタイムで共有することができる。これにより、薬剤師が患者に対して適切な服薬指導や残薬確認を行うことが可能になる。かかりつけ医との連携も密になり、より安全で効果的な薬物療法の提供につながる。

遠隔地でも情報共有が可能に
訪問薬剤管理指導を行っている薬局も多くなってきた。患者が遠方に住んでいたり、在宅療養中の場合でもチャットを使えば局内と情報が共有でき、適切なフォローアップができる。かかりつけ医や介護スタッフとも連携が取れ、患者の健康管理が継続されるのは大きなメリットと言えるだろう。

医療従事者間の円滑な情報連携は、安全で質の高い医療の提供に不可欠である。薬局でのチャットサービス導入は、このような情報共有を飛躍的に向上させる有力な手段となるだろう。

なぜ医療用チャットサービスでないと問題なのか?

ただし、医療分野ではセキュリティが極めて重要なため、民生用の一般的なチャットサービスではなく、医療機関専用で十分なセキュリティが確保されたチャットシステムを選ぶ必要があることに注意が必要だ。
医療者が操作するスマートフォン上のチャット画面やアイコンを見て、誰でも知っている民生用チャットサービスの場合、患者は個人情報漏えいを疑いトラブルに発展することもある。

医療従事者間の円滑な情報連携は、安全で質の高い医療の提供に不可欠である。薬局での医療専用チャットサービス導入は、このような情報共有を飛躍的に向上させる有力な手段となるだろう。
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