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薬局DXニュース解説

2023.11.16

在留ベトナム人対象のオンライン薬局事業で年間1万件の相談 第7回みんなで選ぶ薬局アワードより

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薬局の取り組みを表彰する『第7回みんなで選ぶ薬局アワード』の本選が11月12日に開催された。その中で薬局DXとして注目される発表が。

『第7回みんなで選ぶ薬局アワード』11月12日(日)に開催  多彩な取り組みをされる薬局6組が集結!
https://www.atpress.ne.jp/news/372068

一般社団法人 薬局支援協会のプレスリリースです。

今年で7年目となる「みんなで選ぶ薬局アワード」が開催され、私も11月12日に行われた本選に参加してきました。
この薬局アワードは創意工夫をした様々な薬局が出場し、どのような取り組みをしてきたかを皆と共有し地域医療に役立てようという会です。これまでもコミュニケーションツールやオンラインを駆使した取り組みの発表もあり、医療DXの具体的な事例としても参考になります。
さて、今回も医療DXの観点でひときわ目を引くプレゼンがありました。
オーディエンス賞を受賞したモリ薬局大塚店の森智子さんと岡本翔佑さんの発表「医療が届かないベトナム技能実習生の最初で最後の砦」です。

東京都豊島区大塚で2022年に開局したモリ薬局では、在留ベトナム人を対象にしたオンライン薬局事業を展開しています。
現在、日本に暮らしている在留ベトナム人は48万人おり、その半数は技能実習制度で就業している人々です。
外国人技能実習生の中には悪質な雇用主の下で過酷な労働条件を強いられているケースも目立ち、パワハラや性的暴力の被害を受けている問題を報道で目にしたこともあると思います。
こうした外国人は医療の面でも困難な環境にあり、言語の壁もあって、医療アクセスが非常に悪い立場に置かれています。
岡本翔佑さんがベトナム人専門のオンライン薬局の開局に踏み切った理由にはこうした背景がありました。
現在モリ薬局にはベトナム語通訳スタッフが常駐し、365日のオンライン健康相談、OTCの販売、クリニックとの連携でオンライン服薬指導から薬品の発送(全国対応)まで行なっています。

広報手段としては主にTikTokを利用して全国の在留ベトナム人に呼び掛けており、開局から1年の間に1万人に対応しているそうです。
相談されることは医療のことに限らず、パワハラや望まない妊娠などのこともあり、その都度、弁護士や外国人支援のNPOに繋ぐこともあるそうです。

外国人に向けた取り組みを行うことは、現在のグローバル環境の中では必要不可欠です。
筆者の感想は、このような取り組みを行うことが薬剤師業界の活性化、ひいては日本という国が世界的に見ても貢献できる国であることを周知していくきっかけとなるかと思います。
「第7回みんなで選ぶ薬局アワード」本選出場の皆さん。写真中央がモリ薬局に勤務するベトナム出身の森智子さん。写真右から三人目が岡本翔佑さん。

「第7回みんなで選ぶ薬局アワード」本選出場の皆さん。写真中央がモリ薬局に勤務するベトナム出身の森智子さん。写真右から三人目が岡本翔佑さん。

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