認知症対策会議、27日に立ち上げ 岸田文雄首相が表明
日経新聞の記事より
9月25日にアルツハイマー病治療薬「レカネマブ」が承認され、岸田首相も同日、当事者や有識者らで構成する「認知症と向き合う『幸齢社会』実現会議」を立ち上げることを表明した。そして岸田首相は早速武見厚労大臣と会談し、認知症への対応を強化するため、年末をめどに施策の取りまとめを行っていく考えを示したとある。
「レカネマブ」の承認で、以前から取り組みはあったものの対応が難しかった認知症への対策が一気に動きだす勢いだ。
ただ、「レカネマブ」が使われる対象が、約540万人と推計される認知症を発症する前の「軽度認知障害(MCI)」の人や、アルツハイマー病の発症後、早い段階の人となっていて、米国では患者1人当たり年約390万円する「レカネマブ」は、その対象者が広がってしまうことが懸念されている。わが国ではその市場規模を年1500億円と予想しているが、多用されると間違いなくわが国の社会保障費へのインパクトが甚大になるので、今後薬の費用対効果の問題が大きくクローズアップされることになるだろう。
となると、「レカネマブ」の話題で国民の間で認知症に対する意識が広がることで、改めて効果的な「予防」に注目が集まり、国家としても安易に高額な薬物治療に至らせない取り組みが必要になることは間違いない。
薬局は今すぐその新たな市場に動き出すべきだ。新年度には国から自治体に何らかの事業が求められることになるだろうから、例えば薬局でMCI、あるいはそれ以前の人たちを対象にした、脳トレ・運動・社会的活動をセットで提供するとか、タッチパネル式のTDASで定期的にチェックするといった提案を自治体に行い、薬剤師会として予算を獲得して具体的に動き出すことは夢ではない。
是非どこかの薬剤師会が早急に地域で対応する準備に入り、真っ先に自治体との交渉に動き出して欲しいものである。
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