「ジョブメドレー」は…メドレーが受け取る成功報酬は年収の2~13%と、同業(20~30%)に比べて割安に設定する。
20年に入ってコロナの感染拡大が本格化するなかで、主力事業ではなかったオンライン診療システムが注目を集めた。
オンライン診療システムを含む医療プラットフォーム事業の部門赤字が嫌気された。株価は22年2月に上場来高値に比べ8割安となった。
「オンライン診療銘柄」の一角として株式市場にはやされたメドレー。足元ではジョブメドレーの成長が再び評価されている。
この成功は単に時勢に乗っただけではありません。目立つ・話題を作る事業とマネタイズポイントとなる事業がうまく組み合わさっています。
◎話題を作る事業:オンライン診療システム
2020年 新型コロナウイルスの拡大と共に、オンライン診療システムが一躍注目を浴びました。
しかし、この事業自体は話題ほどにニーズが広がらなかった上に採算性が低く、金融引き締めや成長株への厳しい見方から株価は後に下落しました。
しかし、この話題作りがメドレーのブランドを強化し、別の事業への興味を高めました。
◎マネタイズポイントの事業:人材事業「ジョブメドレー」
ジョブメドレーは、医師や看護師はもちろん薬剤師に対しても求人情報を提供するプラットフォームです。成功報酬が同業に比べて割安であり、オンラインで完結するためコストも低い。このような特長から、約32万の事業所が利用しています。
ジョブメドレーがメドレーの売上全体の約7割を稼いでいるというデータも、そのマネタイズ能力の高さを物語っています。
◎両者のシナジー
「ジョブメドレー」が安定した収益基盤を提供している一方で、オンライン診療システムは新たな顧客層を引きつける「話題作り」に成功しました。投資が集まることで本業への投資も可能となります。更に、ジョブメドレーで把握した市場ニーズをもとに、医療プラットフォーム事業を改良し、採算性を向上させる方向にも進んでいます。
メドレーの成功は、目立つ・話題を作る事業とマネタイズポイントとなる事業の巧妙な組み合わせから生まれています。
このような経営戦略は、小売業として知られる丸井の収益における中心が金融事業であることが有名です。
ドラッグストアや薬局を経営する方々も頭をひねってみてはいかがでしょうか。
筆者はそんなお手伝いをすることもあります。
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