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薬局DXニュース解説

2023.08.10

「感染症菌種推定AI」の開発から垣間見える調剤の未来とは!

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AIベンチャーのカーブジェンは尿検体のグラム染色画像から感染症菌種を推定し、適正な抗菌薬の選定を支援するAIソフトウェアを開発。親会社のネクスジェンが医療機器として承認申請した。薬剤耐性菌の発生低減の一助にしたいとの考え。


【カーブジェン】感染症菌種推定AIを申請‐薬剤耐性菌の発生低減図る
【カーブジェン】感染症菌種推定AIを申請‐薬剤耐性菌の発生低減図る
https://www.yakuji.co.jp/entry104525.html

これはAIの活用の仕方として、素晴らしいと思います!

尿検体のグラム染色画像から感染症菌種を推定する。
なるほど、培養結果とあわせて大量に学習して推定クオリティを限りなく高めていくというその手法は、人間ではなく計算・反復を得手とするAI向きだといたく感心しました。

日本の医療機器として世界を席巻・リードしてもらいたいと思いますし、既に承認申請を終えたとのことですから、来年度と予測されている承認が楽しみです。

色んな医療施設に普及すれば、既に病院薬剤師さんが活躍されているASTにおける抗菌薬のデ・エスカレーションがもっと促進されて、薬剤耐性菌の発生が抑制されそうです。世界に目を向ければ、2050年にはこのままでは1,000万人を超えるとされた薬剤耐性菌による死亡者数* の低減にも大きな効果を発揮するかも知れません!夢が大きい!
* https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/001092868.pdf

こうした処方薬剤の選定をサジェストしてくれるAI、他にも出てくるのではないでしょうか?例えば、個々人の便から測定される腸内マイクロバイオームや、遺伝子解析から導かれる処方薬剤のサジェスチョンだって、近い将来登場してくる予感がします。

さて、こうした技術が現場の薬剤師さんや調剤にどんな影響を及ぼすのか?

これらの技術が指し示すのは、個別化医療・精密医療のひとつのカタチであり、薬剤の種類から投与量や剤形など、処方や製剤デザインまでが医療施設(現場)内で行われるケースが増えるということです。

野球のバッターでいえば、物凄いスピードボールを投じてくるMLBの舞台でも、自分側に球を引き付けておきながら、一気に並外れたスピードのスイングで打ち抜いてしまう大谷選手のような(苦笑、ちょっと違うか)!

近年は減少の一途を辿っていた「院内製剤」「薬局製剤」が、新しい技術を身にまとって未来には復活してくることが予想されます。

新しい技術はこれらのAIだけではありません。自分に引き付けて打つ!という院内製剤のスタイルは別のテクノロジーをも身に纏います。それが3Dプリンター。個別最適化された処方や製剤を「院内」で製造することで対応するわけです。

入院患者向けに院内で出来上がったこの製剤、短期間とはいえ包装が必要です。なので、この色んなAIと協働した3Dプリンターは、なんと錠剤分包機と一体となったカタチで病院内(薬局内、或いは外部委託先)に配備されていく。

そんな未来が垣間見えるような気がしませんか。
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